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【芸能・社会】幸四郎 新・歌舞伎座「忠臣蔵」締め2013年11月19日 紙面から
松本幸四郎(71)が、12月に歌舞伎座で「仮名手本忠臣蔵」の当たり役大星由良之助を演じる(四、七、十一段目)。通し狂言の同作が、違う配役で2カ月連続上演されるのは、1988(昭和63)年3、4月以来。観客には見比べる楽しみもあって、今年の見納め舞台としてにぎわいそうだ(1〜25日)。 塩冶判官に尾上菊之助(36)、高師直・早野勘平(道行)・寺岡平右衛門に市川海老蔵(35)、早野勘平(五、六段目)などに市川染五郎(40)と若手主体の顔触れ。あだ討ちのリーダーという立場と公演全体をけん引する役割がだぶるが、幸四郎は「胸を貸すなどという気持ちはありません。周りがどうであれ、お客さまに感動していただけるように、役を演じることしか考えません。ただ新しい発見はあるかもしれない。若手も何かいい影響を受けることはいいことだと思います」と話す。 大星を初めて演じたのは、80(昭55)年3月の歌舞伎座。大星のほか石堂右馬之丞、寺岡平右衛門を片岡孝夫(現仁左衛門)とダブルキャストで演じた。当時37歳。父が病気療養中だったため、叔父の尾上松緑から教わった。以来何度も演じて、堂々たる風格をたたえるまでになった。 今演じる心境を、「初代吉右衛門、祖父の七代目幸四郎といった人たちが演じてきた役が、色あせないで生きているということをお見せしたい」と語る。型を受け継ぎながら「半分以上は、菊吉時代を知る古老から教えてもらった」と明かした。自身の工夫については、「小細工しようとしたってはね返されるだけ」。初演以来約260年、先人が積み上げた型などを吸収し、魂をこめることに集中するそうだ。 五段目の「二つ玉の場」で有名な斧定九郎は「夢の仲蔵」の劇中劇で演じたことがあり、塩冶判官以外の主要な役はすべて演じた。来年正月の歌舞伎座公演では、九段目の「山科閑居」で加古川本蔵を演じる。65歳で初めて務めて以来になる。今年は、4月に新開場した歌舞伎座に3カ月連続出演、「勧進帳」の弁慶役1100回も達成した。新しい歌舞伎座も最初の正月になる。「来年以降が正念場。そのためにも(忠臣蔵で)12月から1月につながるように」と幸四郎。来年は、年男で父・白鸚の三十三回忌を迎え、新たなチャレンジを構想中だ。 (本庄雅之) ◆大星由良之助 赤穂浪士の討ち入りを題材にした「仮名手本忠臣蔵」は、事件から足かけ47年目に、実在の人物の名前を似た名に置き換えて歌舞伎で上演された。大星は、大石内蔵助。四段目では、主君切腹の場にかけつけ、殿の無念を胸に刻み、後のことすべてを引き受ける覚悟を見せる。城明け渡しの場面では、あだ討ちを決意する肚芸(はらげい)がみどころ。七段目は、茶屋で遊興にふける姿をみせながら、味方をもあざむく策略を秘めたリーダーの大きさをみせる。十一段目は、念願を成就、ときの声を上げる。四、七段目はとりわけ難役で、歴代の名優が演じてきた。幸四郎は、通算11度目。 PR情報
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