米コカ・コーラ社のデジタルコミュニケーション&ソーシャルメディア担当のアシュリー・ブラウン氏が、なんとも刺激的な記事を書いています。
Every Day is Election Day: The Coca-Cola Company
コンテンツは王だ、そして、コーポレートサイトは死んだ
コカ・コーラ社のウェブマーケティングの考え方を記した記事なんですが、途中で「コンテンツは王だ、そして、コーポレートサイトは死んだ(Content is King, and the Corporate Website is Dead)」という見出しが躍っています。インパクトありますね、この発言。
本ブログでも何度かお伝えしていますが、コカ・コーラ社は公式の会社サイトをブログメディア化しています。とくとご覧あれ(http://www.coca-colacompany.com/)。
日本語サイト(http://www.cocacola.co.jp/)も先日ブログ化されました。
容易に想像ができますが、静的でコンテンツが過少な「コーポレートサイト」よりも、動的でコンテンツリッチな「ブログメディア」の方がアクセスは断然稼ぎやすいです。実際、コカ・コーラの「Unbottled」というサイトはデザイン、コンテンツをリニューアルしたところ、ページビューが爆発的に増えたそうで(106% increase in page views driven by a jaw-dropping 1,247% increase in Unbottled home page visits)。まぁ、不思議な話ではありません。
「静的なコーポレートサイト→動的なブログメディア」という流れは国内でも着々と進んでおり、たとえばDeNAの会社サイトもブログ化されています。
「自分のことをたくさんの人に見てもらいたい」というニーズを人々が抱える以上、まさにアシュリー氏が語るように、「コーポレートサイトは死」んでいくのでしょう。「会社概要」「事業内容」「お知らせ」「アクセス」「お問い合わせ」…などが並ぶ退屈なサイトは、これから減っていくということです。
課題は「人材不足」と「炎上への恐れ」
こうしたトレンドのなかで大きな課題になるのは、やはり「人材」です。静的なサイトの制作・運営に比べると、動的なブログメディアの運営は、数段むずかしいのです。しっかりやろうとするのなら、社内に編集長を置き、ライターを教育し、外部のクリエイターたちと連携をする必要が出てくるでしょう。多くの場合、自前でやろうとしても、つまらないスタッフブログにしかなりません。
しかも、企業でやるとなると、どうしても「当たり障りのない内容」に落ち着いてしまいがちです。やっぱり炎上したらまずいわけで、ライターは「自主規制」し、会社によっては、コンテンツを厳しく「検閲」することもあります。
検閲や自主規制が働いているかはわかりませんが、ぶっちゃけ、日本のコカ・コーラのサイトはいまいち面白くありません。RSSで購読したくなるほどのサイトではないですね(みなさんの所感はいかがでしょう?)。参加している才能はすばらしいので、もっと彼らを暴れさせてあげればいいのに、と感じます。
人材不足という課題を考えると、ぼくらブロガーには、これからスポットライトが当たると思われます。というか、現実にその種の案件は増えており、ぼく自身もいくつかの会社のブログメディアをサポートしていたりします。このテーマの記事を書くと、いつも最後は宣伝になってしまうのですが、ブログメディア立ち上げに関するアドバイス依頼はお気軽にご連絡ください(¥10,000/1hで編集アドバイザーになります)。
関連本はこちら。ここら辺を読んでおくと、次のマーケティングトレンドが掴めるかと。
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未読ですがこちらも参考になりそう。
オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング Joe Pulizzi,Robert Rose,ジョー・ピュリッジ,ロバート・ローズ 翔泳社 2013-05-25 売り上げランキング : 103999
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