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【福島第1原発の現状】共用プール燃料を移送へ 東電、2500体を屋外に


 東京電力福島第1原発の共用プールから、使用済み核燃料2500体を乾式キャスクという水を使わない鋼鉄製容器に移して屋外で仮保管するための準備が進んでいる。4号機使用済み燃料プールに残る1533体の燃料受け入れに向け、共用プール内にスペースを確保するための措置で、移送は4月に始まる。

 共用プールは4号機の西側にある別棟の施設で、燃料6377体が冷却保管されている。東電は1~4号機のプールの全燃料計3106体を移す考えだが、共用プールの収容量は既に約93%に達しており、移送にはスペースを空ける必要が生じていた。

 使用済み燃料は長期間熱を出し続けるため、日本の原発では主に、プール内で水を循環させて冷やしている。 しかし第1原発事故では4号機プールの冷却機能が失われ、燃料が水面から露出する恐れが指摘された 。

 共用プールの燃料は既に十分冷却されているため、移送後の保管には、電源を使わずに空気を循環させて自然冷却するキャスクが使われる。原子力規制委員会も、地震や津波の影響を受けにくいとして、キャスクによる保管を推奨している。

 キャスクは全長約5・5メートルの円筒形で、 1基 につき37~69体の燃料を収容できる。仮保管場所となる敷地内のグラウンドには、移送に備え11基が届いている。

 11月に始まる4号機からの移送に続き、2014年度末には3号機プールの566体も 共用プール への移送を開始する計画だが、1、2号機については、原子炉建屋付近の線量が高く、移送のめどは立っていない。

 仮保管場所には50基以上のキャスクが並ぶことになるが、いつまで仮保管されるのかや、仮保管後の扱いなどは決まっていない。

 (2013年3月11日、共同通信)

2013/03/11 19:44

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