【編集委員・小山田研慈】環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で、農林水産省は主食(ごはん)用のコメの政府輸入枠10万トンを拡大する検討に入った。TPP交渉で米国はコメなどの関税をなくすよう求めているが、日本は関税の撤廃は難しいと考えているため代案を示す必要があると考えている。

 日本は世界貿易機関(WTO)の協定で、輸入米に1キロあたり341円の関税をかける代わりに政府が一定量を関税なしで輸入することになっている。今は年間約77万トン(米国産は最も多い36万トン)で、このうち主食用が約10万トンある。

 林芳正農林水産相は15日の記者会見で、この政府輸入枠について「(TPPの)議題から外れているということはない」と話し、輸入枠の拡大も含めて幅広く検討する考えを示した。