愛知県稲沢市の桜木琢磨（さくらぎたくま）市議（７０）が覚醒剤所持の疑いで中国当局に拘束され、関係者に衝撃が広がった。中国での薬物犯罪は厳しく処分されるだけに、１５日午前に緊急の記者会見を開いた野村英治議長（６０）は「突然のことで驚いている」と困惑した表情で語った。

　野村議長は会見で「事実であれば本当に申し訳ない」と述べた。ただ、桜木市議について、「曲がったことが大嫌いな性格で、いろいろなことを真剣に考える人。悪いことに手を染めるような人ではない」と語った。

　また、「桜木市議は貿易関係の仕事をしているので、たまに外国に行っていたようだが、中国に頻繁に渡航していたとは聞いておらず、議会や市の行事を休んだことはない。今回が初めて」と話した。会見に先立ち、市議会は各会派の議員が集まり、今後の対応を協議したという。

　一方、信用調査会社・帝国データバンク名古屋支店によると、桜木市議が経営し、その仕事のために中国に渡航した貿易会社「スカイウェイ産業インターナショナル」は１９８１年設立。所在地は、稲沢市内の桜木市議の自宅住所と同じ。海外企業との貿易や翻訳業を営み、２０１２年６月期の売上高は２００万円だった。【渡辺隆文、安達一正】