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18 Nov 2013 12:04

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美しくヘルシー 日本人の感性と器用さが生み出す「和製スイーツ」

産経新聞 11月12日(火)10時0分配信

美しくヘルシー 日本人の感性と器用さが生み出す「和製スイーツ」

海外で注目を集める和製スイーツ(写真:産経新聞)

 日本人特有の感性と手先の器用さが生み出す日本製スイーツの世界が、海外から注目を集めている。和菓子は見た目の美しさに加え、油脂や牛乳を使わない味付けが世界のヘルシー志向にマッチ。一方、洋菓子の技術も世界トップレベルにある。政府もクール・ジャパン戦略の柱の一つにスイーツを位置づけ、海外への普及を後押ししている。

 海外に日本の文化を紹介する「国際交流基金」では最近、海外事務所から和菓子紹介のイベント開催依頼が増えた。文化事業部企画調整チーム長の大内桃子さんは「和菓子には繊細さやヘルシーさ、日本の伝統や四季…。海外から見た日本へのあこがれが凝縮されているようです」とその理由を説明する。海外のイベントでは、和菓子を見て「本当に食べ物?」と驚かれることも少なくないという。

 20年前から海外に進出しているのが老舗の和菓子店「宗家 源 吉兆庵」だ。平成5年8月にシンガポールに海外1号店を出店。現在は7カ国・地域に21店舗を展開し、海外での売り上げも伸びているという。

 ニューヨーク店は今夏、観光客も見込めるロックフェラーセンター近くから、地元客中心のマディソンアヴェニューに移転した。海外事業部の渡辺伸一さんは「少しずつアメリカでも和菓子が知られるようになってきた。繊細さや色使いに興味を持ってもらっている」。果物を使ったものやどら焼きが人気だという。

 洋菓子の世界でも、日本人パティシエが注目されている。昨年開催された国際コンクール「ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ2012」では、日本人ペアが優勝した。

 その一人、グランドハイアット東京(東京都港区)のペストリー副料理長、岡崎正輝さんは「日本の洋菓子のレベルは世界でもかなり高い」と話す。繊細な細工だけでなく、ちょっとしたフルーツの香りや味…。

 「飴(あめ)で花を作るときも1色では考えない。花は縁の色が違ったりします。日本人ならではの四季の感覚がお菓子作りにも生かされている」(岡崎さん)。活躍の場を求め、日本人パティシエが東南アジアに出店するケースも出てきている。

 政府も力を入れ始めた。農林水産省は10月、シンガポールで行われたイベントで日本製スイーツの魅力をアピールした。台湾でも日本産品を使ったお菓子を紹介するイベントを開く。同省の担当者は「日本製スイーツは豊かな食材があってこそ。スイーツを通して日本の食を知ってほしい」と話している。(油原聡子)

最終更新:11月12日(火)13時35分

産経新聞

 
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