産経新聞 11月18日(月)7時55分配信
集積回路(IC)などの素材となるシリコンウエハー世界首位の信越化学工業が、食器事業に参入した。同社が一般消費者向けの製品を発売するのは初めて。透明度の高いシリコーン(ケイ素樹脂)を使い、ガラスそっくりだが手で簡単に変形できるなど、日本の技術力の高さを前面に打ち出した。育児や介護、アウトドア向けで、平成26年度に売上高1億円を目指す。
信越化学は第1弾としてグラス(2310円)とコップ(1890円)を発売した。信越化学の高透明度シリコーンを使い、グループ会社の信越ポリマーが加工を手掛けた。ガラスのように透明だが落としても割れないほか、ガラスなどに比べて熱が伝わりにくいなど、高い機能性を持つ。信越ポリマー機能製品事業部の新行内正樹マネジャーによると、飲み口をすぼめて使えば育児や介護に使えるほか、保温・保冷効果にも優れ「熱い飲み物を注いでも、器が熱くならない」という。
食器に使ったシリコーンは、光をよく通し、耐久性・耐熱性が高いため、発光ダイオード(LED)の保護材として使われてきた。デザイン事務所「アッシュコンセプト」の名児耶秀美(なごや・ひでよし)代表が透明度に着目し「シンプルで使い勝手を考えたデザイン」に仕上げた。信越化学は塩化ビニール樹脂や半導体関連、レアアース磁石など工業素材の世界的なメーカー。食器事業では今後、ボウルや皿、花器などにも用途を広げて製品化を図る方針だ。
最終更新:11月18日(月)13時32分
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