歯の健康:「虫歯注意報」防災無線で呼び掛け 山形県大蔵村
2013年11月18日
原因の中でも大きかったのは、哺乳瓶で乳児に与えるスポーツドリンク。熱冷ましに使える「良い飲み物」というイメージで病気が治ってからも日常的に飲ませる慣習が広がっていた。しかし、スポーツドリンクは酸性のため、生えたばかりの歯を溶かし虫歯を作ってしまっていた。
全村一丸となった取り組みで、子供の虫歯は大幅に減少。モデル事業は3年限定だったが、事業終了後は村の事業として取り組みを継続。2003年には、3歳児の虫歯本数が0・39本まで減り、県内の市町村で最も虫歯が少ないという実績を上げた。
当初は「8(歯)」が付く8日、18日、28日の月3回放送した虫歯注意報も、現在は毎月8日だけの実施となった。
伊藤さんは「今は診療室から泣き声が消えた。にこにこしている子供を見ると平和になったと実感します」と笑う。一方で、今取り組む必要性を感じるのは高齢者の歯の健康だ。「口腔ケアが十分でないと、他の疾病につながったり、全身に及ぼすようなトラブルが出たりする場合がある。高齢者の方の意識を上げていきたい」。虫歯注意報の「需要」は今後もしばらく続きそうだ。