福島第一原発4号機 きょうから燃料取り出し11月18日 6時7分
東京電力福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業が、18日から始まります。
散乱したがれきなど事故の影響が残るなかで、実際の作業が、計画どおり安全に進められるか注目されます。
福島第一原発4号機の燃料プールには、強い放射線を出す使用済み燃料が1331体、未使用の新燃料が202体と、福島第一原発で最も多い、合わせて1533体が保管されています。
これらの燃料を取り出すため、事故当時の水素爆発で壊れた建屋の上部やクレーンなどが新しく造られ、こうした設備の検査や操作の訓練を経て、東京電力は、18日から取り出し作業を始めることになりました。
燃料は燃料プールの水中で、キャスクと呼ばれる輸送用の容器に移され、キャスクごと大型クレーンで地上に降ろされて、およそ100メートル離れた共用プールという施設に運ばれます。
18日は午前中、キャスクをプールに入れる作業が行われ、実際に燃料をキャスクに移す作業は午後3時ごろから始まる予定です。
懸念されるのは、プールに残されている細かいがれきの影響で燃料が取り出せなくなったり、これまでの調査で分かっていなかった損傷した燃料が見つかったりしないかです。
また作業の過程で、万一、燃料やキャスクが損傷するなどした場合、強い放射線が出るおそれがあるため慎重な作業が求められます。
燃料プールからの燃料取り出しの開始は、廃炉の工程表で最初のステップである第1期の完了と位置づけられ、40年かかるとされる廃炉の最初の大きな節目です。
東京電力は、4号機のプールにある燃料の取り出しを来年末までに終える計画で、実際の作業が計画どおり、安全に進められるか注目されます。
使用済み燃料とは
福島第一原発4号機の燃料プールにある核燃料1533体のうち、9割近くを占める1331体は強い放射線と熱を出し続ける使用済み燃料です。
使用済み燃料は、原子炉内で核分裂を起こした燃料です。
この中には、燃料として使い終えたものだけでなく、核分裂を止め、再び燃料として使われる予定だった、比較的新しいものも含まれています。
さまざまな放射性物質と共にプルトニウムが全体の1%ほどの割合で生成されます。
4号機のプールにある使用済み燃料は、原子炉から取り出されてから最も短いものでも3年近く経過していますが、1体当たり最大7500兆ベクレルの放射能を持っているということです。
このため、放射線を遮る効果がある水の中で保管され、水から取り出して移動したり保管したりするときはキャスクと呼ばれる専用の容器に入れられます。
また、熱も出し続けているため、冷却を続ける必要があります。
ことし3月、4号機の燃料プールの冷却システムが止まるトラブルが起きた際には、1日半で、プールの水温が6度上昇しました。
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・ 福島第一原発4号機 燃料取り出し準備進む (11月18日 12時5分) ・ 福島第一原発4号機 核燃料取り出し 18日開始 (11月15日 17時51分) ・ 4号機 燃料取り出しの事前検査終了 (11月12日 17時33分) |
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