2013年11月18日09時31分
静岡県で1966年に一家4人が殺害され、放火された事件で死刑が確定した袴田巌(いわお)死刑囚(77)の第2次再審請求に絡み、同僚が事件当時、「(現場近くの)寮から消火活動に向かったところ、袴田(死刑囚)が後ろからついてきた」と証言していたことがわかった。確定判決は、事件直後に袴田死刑囚を見た者はいないとしていた。静岡地検が今年7月に開示した証拠130点の中に含まれていたという。
確定判決では、袴田死刑囚は66年6月30日午前1時過ぎ、静岡県清水市(現・静岡市清水区)のみそ製造会社の専務宅に侵入し、4人を殺害、放火した。出火は午前1時50分ごろで、午前2時半ごろに鎮火した。判決は犯行前日の午後10時半ごろから鎮火近くまで、袴田死刑囚を見た者は認められないと認定していた。
弁護団によると袴田死刑囚は当初、「出火当時は寮で寝ていた」と供述しており、「同僚の証言は供述を裏付ける」とみている。来月2日には、検察側と弁護団双方が再審開始の是非を争う最終意見陳述書を提出する。弁護団はこの証言が確定判決の矛盾を示すものとして、最終意見に盛り込むか検討中とみられる。
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朝日新聞社会部
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