蹴球探訪
宮市 単独インタビュー後編 代表は「常にいたい場所」(11月12日)
トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 紙面から一覧 > 記事
【スポーツ】野尻が日本人最高2位 一瞬の隙を悔やむ2013年11月18日 紙面から
◇横浜国際女子マラソン▽仁川アジア大会選考会兼ねる▽17日▽横浜市・山下公園発着の42.195キロ▽スタート時の気象 晴れ、気温16度、湿度84%、東南東の風1.1メートル 異色のランナーが日本人トップでゴールを駆け抜けた。元距離スキー選手の野尻あずさ(31)=ヒラツカ・リース=が2時間28分47秒で日本人最高の2位に入った。優勝は2時間25分55秒のアルビナ・マヨロワ(36)=ロシア=で、昨年日本人トップで2位だった那須川瑞穂(33)=ユニバーサルエンターテインメント=は、2時間30分27秒で4位に終わった。 手応えと課題。野尻は二つの思いを胸にゴールに飛び込んだ。日本人最高の2位もタイムは2時間28分47秒と平凡。「収穫は多かった。でもタイムは物足りない」と冷静に口を開いた。 25キロすぎにスパートし先頭を争った那須川を振り切った。だが、一時は約200メートル離したマヨロワに猛追され、29キロすぎに引き離された。「(マヨロワと)脚が接触して動揺した。悔いがあるとしたらそこ」。ひるんだ一瞬の隙を、つかれた。 異色のランナーだ。26歳でスキー板からシューズに道具を変えた。距離スキーではユニバーシアード代表にも選ばれた。しかし「五輪を狙うところまで気持ちをもっていけなかった」。陸上に転向して第一生命に入社したが12年春に退社。現在は実業団に所属せず、地元の富山県でプロランナーとして研さんを積む。 夏場は週4日、立山で高地トレを実施。自らを孤独な戦いに追い込んだ。「迷惑にならないよう黒部アルペンルートの観光バスの最終が終わってから、ホテルの明かりを頼りに走った。何もないところで1人で嵐に遭うと恐怖感に襲われることもあった。自分に足りないものを山が教えてくれた」。1日100キロ以上走り込むことも。大自然の力を成長の種とした。 1カ月前に向かうはずだった伊豆大島の人々への思いも胸に刻んだ。昨年は12月に合宿をした。今回も調整の地に選んだが、台風26号による大災害で急きょ中止に。この日、「何もできないけど少しは喜んでもらえるかな。(伊豆大島に後日)行く予定です」と言った。 今後の目標は、当然世界に向けた。「次は外国人と戦ってトップになる。リオ五輪を目指して一戦一戦を大事にする」。日本人最高では飢餓感は満たされない。「走ることは生きること」と言う野尻の目は強い光を放っていた。(占部哲也) PR情報
おすすめサイトads by adingo
|