中国「フィリピンに援助隊派遣したい」11月17日 9時32分
中国外務省は、台風で甚大な被害を受けたフィリピンに対して「緊急援助医療隊を派遣したい」と表明し、南シナ海の領有権問題でフィリピンとは対立があるものの、日本やアメリカが大規模な支援活動を展開していることから、支援を強化するのが得策だという判断に傾いた可能性があります。
中国外務省の洪磊報道官は、16日夜遅くに談話を発表し、「中国政府は人道主義に基づいてフィリピンの被災地に緊急援助医療隊を派遣したい」と表明しました。
今回のフィリピンの台風被害について、中国政府は当初、赤十字と合わせて日本円でおよそ2000万円の援助を表明するにとどまり、南シナ海の島々の領有権を巡る対立があるために小規模に抑えたという見方が広がりました。中国政府は、その後、援助額をおよそ1億6000万円追加しましたが、人的支援はしてきませんでした。
しかし、国内で支援を拡大すべきだという声が出ており、このうち「環球時報」は15日の社説で、アメリカ軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」がフィリピン沖で支援活動を行っていることや、日本の自衛隊の国際緊急援助隊の規模が過去最大になることを挙げて、「中国も軍の艦艇をフィリピンに派遣して支援に当たるべきだ」と主張しました。
中国政府としては、こうした論調や国際社会でのイメージを考慮して、領有権問題はあるものの、フィリピンへの支援を強化するのが得策だという判断に傾いた可能性があります。
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