リハビリにも有用? テレビゲームをすると脳が実際に大きくなった:研究結果
被験者に2カ月間、1日あたり30分間ゲームソフト『スーパーマリオ64』をプレイしてもらうテストでは、成人ボランティアの右脳の海馬、前頭前野皮質および小脳中の脳体積が増加するという結果が得られました。脳中のこれらの器官は、記憶形成、戦略的計画、筋肉制御および空間ナビゲーションを司ります。
マックスプランク人間発達研究所およびチャリテ大学病院の研究者であるHedwig-Krankenhaus氏は、被験者の脳をMRIによって測定し、テレビゲームをプレイしなかったグループと比較しました。実験によれば、ゲームをプレイしたグループには「著しい知能増加」が見られました。Hedwig-Krankenhaus氏は、テレビゲームが脳障害のリハビリテーションに有用かもしれないと理論付けました。
ビデオゲーム・トレーニングは、海馬および前頭前野皮質ボリュームの縮小による精神病、たとえば外傷後ストレス障害、統合失調症や神経変性病などの既知の危険要因を抑えるのに有効かもしれません。
「大きな脳」が「より利口であること」を必ず意味するかどうか、研究者の見解は異なりますが、脳のあるエリアのサイズは重要になり得ます(アルバート・アインシュタインの数学的思考に繋がる脳の部分は、一般人より大きかったことが知られています)。増加した灰白質は、たしかにより良い記憶能力と関連しており、灰白質の減少は双極性障害や痴呆といった症状を導きます。
この研究において特に興味深いのは、「テレビゲームで遊ぶのを楽しんだ」と言ったボランティアの灰白質が多く増加していた点です。さらに、Kotakuが報告したように、脳のある部分のサイズはテレビゲームがどのくらい上手かということにも関係があるかもしれません)。
とにかくこの研究は、テレビゲームが単なる娯楽を超えて、有益になり得る多くの根拠となることでしょう。
Playing Super Mario induces structural brain plasticity:gray matter changes resulting from training with a commercial video game (Abstract)|Molecular
Melanie Pinola(原文/訳:鈴木達郎)
Photo by Tom Newby Photography.
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