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【G-STAR 2013】日本のデベロッパーが続々韓国市場に参戦

和製タイトルでグローバルを目指す活きのいい日本メーカーを紹介!

11月14日〜17日開催(現地時間)

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

 今年の「G-STAR 2013」は、NCsoftやWemadeなどゲームショウ常連の韓国大手ゲームメーカーが出展を見合わせている。その分目立つのが、日本やアメリカなど海外からの出展だ。特に今年はグローバル化を目指すアプリデベロッパーが多く参加している。グリー、GMOアプリクラウド、gumi、モブキャスト、ガンホーなどが日本でサービス中のゲームを展示し、これまでになく日本語を見る機会の多い「G-STAR」となった。このレポートでは、そんな日本のメーカーのブースを訪ね、聞き出した情報や日本メーカーの海外展開などを紹介したい。

次世代機は影も形もなし。和製アプリがじわじわと韓国市場を狙う

「モンハン4」一色だったNintendo of Koreaのブース
SONY Koreaのブース。メインは最新HMD「HMZ-T3W」
BtoBコーナーにあったセガのブース。出展作はすべて日本語版だった

 Nintendo of Koreaはカプコンの「モンスターハンター4」を大々的にプロモーションした。今回、コンシューマ機はここだけ。かつてPS3やXbox 360なども出展されていたことを考えるとなんとも寂しい陣容だが、それだけにブースは大にぎわいで、「モンハン」の知名度の高さを感じさせた。韓国版の「モンスターハンター4」は現地時間の12月14日に発売される。

 ソニーグループは、SCE Koreaではなく、SONY Koreaが出展。日本でも間もなく発売となる最新のヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HMZ-T3W」を大々的にプロモーションしていた。ブース内は飛行機のシートやリビング、ホームシアターなどに仕切られて、そこでHMDの迫力ある画像や立体的なサウンドを体験することができた。ゲームの展示は、PS3版「グランツーリスモ6」をシミュレーター型のコントローラーでプレイアブル展示していたほか、HMDで「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」など新作ゲームのPVを上映していた程度で、PS4についてはなんの展示も情報もなく、ゲームの、というよりも家電の展示場のような雰囲気だった。

 セガはSEGA PUBLISHING KOREAがBtoBブースに出展。「ファンタシースターオンライン2」、「戦場のヴァルキュリア DUEL」などのPCゲーム、「ぷよぷよ!!クエスト」、「ドラゴンコインズ」、「チェインクロニクル」、「Champion Football」などを展示した。すべて日本語版で、今回は韓国での反応を伺うのが目的という。今後、有望なタイトルはSEGA PUBLISHING KOREAを通じて自社で展開していきたいとのことだった。

【会場の様子】
Nintendo of Koreaブース。大きなドラゴンの首も飾られ、狩り場の雰囲気
「グランツーリスモ6」のコーナー
シート型のコントローラーでプレイできた
セガブースの様子

「パズル&ドラゴンズ」の対戦用特設ステージ
グリーとgumiがアプリを配信しているHungry Appのブース
BtoBブースにあったADWAYSのPR用垂れ幕

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、グループ会社である韓国GravityとNEOCYONのブースで、「パズル&ドラゴンズ」、「ケリ姫スイーツ」、「Tower of Ascension」を韓国語版でプレイアブル展示した。また、新作「Road of Dragons」の事前登録もブース内で行なわれていた。ブースの正面のステージでは、来場者が「パズル&ドラゴンズ」対戦で盛り上がるイベントも開催されていた。「パズル&ドラゴンズ」は女性にも人気があるようで、会場からホテルまでの行き帰りの地下鉄でも、遊んでいる人の姿をよく見かけた。

 グリーとgumi、モブキャストは、韓国の大手アプリポータルHungry Appのブースにデベロッパーとして参加していた。gumiは韓国で配信を始めたばかりの「ブレイブ フロンティア」を全面に、グリーは「ロスト・イン・スターズ」や「Jumping Tail for Kakao」など9タイトルをラインナップ。モブキャストは「モバサカ」、「ドラゴン★スピン」など5タイトルを出していた。

 「カイブツクロニクル」を開発、運営しているADWAYSは、BtoBブースに出展。ADWAYSは開発拠点を上海に移しており、現在はそこで開発されたゲームを中心に、広くグローバルに配信を行なっている。海外拠点は台湾、アメリカの他、フィリピンやインドネシア、ベトナム、タイ、シンガポールなどASEAN諸国を広くカバーしており、かなりグローバル化が進んでいる会社だ。

【会場の様子】
NEOCYON/Gravityブースの中の様子
モブキャストのコーナー
グリーのコーナー
gumiのコーナー

まるでアキバが越してきたかのようなGMOブース
ソウルパビリオンにあったANDAMULのブース

 GMOアプリクラウドは、韓国でのパブリッシングを行なっているGMO GAMECENTER Korea(Gゲーコリア)と共同でブースを出展した。ブース内にはGMOアプリクラウドの公式キャラクター三雲あんずのイラストを全面ラップした痛車が中央をドンと占め、その手前ではあんずのコスプレをしたコンパニオンが萌え系ポーズを取りまくりと、こじんまりしたブースながら日本の萌えシーンを余す所なく表現しており、正面にあるBlizzardブースとのギャップは笑えるほどだった。

 出展されていたのは、KakaoGameから配信中の「マイリトルナイト for KaKao」や「ゾンビバスターズ for Kakao」、「デススマイルズ」、「ガールズ×マジック」、「キスの続きはミッションの後で」など。しかし、タイトルよりもGMOアプリクラウドやGゲーコリアという会社を売り込もうという雰囲気の強いブースだった。

 女性向け恋愛ゲームを数多く配信しているANDAMULは、韓国支社のANDAMUL Koreaがソウルパビリオンで、恋愛ゲームのPRを行なっていた。韓国の恋愛ゲーム事情を聞いたところ、以前は恋愛ゲームの多くが携帯のブラウザゲームで、攻略キャラごとにストーリーを購入していくというシステムが韓国のユーザーには分かりづらく、興味はあっても手を出しづらいという感覚があったそうだ。しかし恋愛ゲームもネイティブアプリへと進化しつつあり、これからユーザーが増えていくと思うので、獲得に努力したいと語っていた。現在は4本のタイトルが配信されているそうだ。

(石井聡)