汚染水 大雨対策の実施時期決定11月11日 22時5分
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策を巡って国と東京電力は福島県内で会議を開き、大雨の際に、汚染水のタンクを囲うせきから水があふれるのを防ぐ対策を急ぐため、具体的な実施時期を決めました。
福島第一原発では先月、台風に伴う大雨で汚染水のタンクを囲うせきから相次いで水があふれ、国が認めたせきからの放出基準を超える放射性物質が検出されるケースがあったほか、あふれた水の一部が海に流出したおそれもあります。
国と東京電力の会議は11日福島県内で開かれ、冒頭、赤羽経済産業副大臣は「この1か月、例年にない頻度で接近した台風によって雨水が漏れるという事態を引き起こしてしまった。今後、リスクに応じた対策を速やかに行い、後手後手にならないよう取り組んでいきたい」と述べました。
そして雨でせきの水があふれないよう、今年度末までにすべてのタンクの上部に雨どいを設置し、せきに流入する雨水をおよそ60%減らすことや、すべてのせきの高さを年内に、これまでの2倍の60センチにかさ上げしたうえで、水位の上昇が速いせきでは、年度内に最も高いところで1メートル30センチにすることなどを決めました。
このほか、これまでの汚染水漏れなどでせきの内側が汚染されているため、雨水と混ざらないよう、来年1月までにせきの内側の塗装を行うことにしました。
一方、11日は、国の汚染水処理対策委員会のメンバーなど22人が福島第一原発を訪れ、敷地内の地層などを視察しました。
視察後、委員長を務める関西大学の大西有三特任教授は「地下水の流れや地層を把握し、汚染水のリスクはどこにあるのか、すべて洗い出して今後の施策に生かすことが重要だ。今回の視察で、これまで考えてきた地層のモデルはほぼ正しく、リスクの洗い出しに大きな見落としはないという印象を受けたので、来月上旬に公表する対策に反映させたい」と述べました。
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