大阪市を廃止し特別区に分割する「大阪都構想」の制度設計をする法定協議会が１５日、府議会であり、公明党は「市を１区２０万人、１３区に再編する」との独自の区割り案について、高コストを理由に撤回した。また、公明の清水義人府議は記者団に、５または７とされている特別区の分割案について「年内に絞り込む」と述べ、１２月の法定協で大阪維新の会と公明を中心に５区案か７区案か決める方向となった。

　府市は、特別区を１区あたり人口３０万〜４５万人とし、５区か７区に分割する計４案を提示している。

　一方、自民、民主、共産の３党はこの日、「府市の連携で二重行政は解消できる」などと、改めて構想に反対した。しかし、法定協会長の浅田均・府議会議長（維新政調会長）が「『特別区は不要だ』という議論は終わっている」と発言、３党の議員は出席したまま議論に加わらなかった。自民市議は「我々の指摘に何の回答もせず議論を進めている」と反発している。

　また、この日の議論で公明は、区ごとに設置する児童相談所と、１、２カ所に集約する一時保護所の連携不足を懸念し、保護所も区ごとに設置すべきだと主張した。その際の経費や要員について、府市が試算することを決めた。【村上尊一、重石岳史、熊谷豪】