秘密保護法案:維新「丸のみ以外反対」 修正協議週明けに
毎日新聞 2013年11月17日 12時55分(最終更新 11月17日 13時16分)
国家機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案をめぐる自民、公明両党と日本維新の会、みんなの党との修正協議が週明けにヤマ場を迎える。与党は今週中の衆院通過を目指すが、維新は16日、維新の修正案を与党が「丸のみ」しなければ反対する方針を確認。与党は維新、みんなのいずれかを取り込めれば法案を通過させる方針で、修正協議の行方が最大の焦点となっている。
安倍晋三首相は16日、修正協議について羽田空港で記者団に、「第三者的な仕組みによって適切な運用を確保することも重要な課題だ」と述べた。維新が求める第三者機関による検証に理解を示すことで、採決の環境を整える狙いがあったとみられる。維新は修正案で特定秘密の指定などを検証、監察するための独立した第三者機関の設置を求めている。法案は特定秘密の指定や解除の運用基準を作る際に有識者の意見を踏まえることになっているが指定の妥当性を判断する仕組みになっていないためだ。
与党が15日に維新とみんなとの修正協議で示した案は、政府が特定秘密の指定・解除の件数や指定基準などを国会に報告するとの内容で、国会が関与することにはなるが、妥当性の判断はできず、第三者機関にも触れていない。
維新は16日の国会議員団幹部の協議で、修正案を与党が「丸のみ」しなければ反対する方針を確認。松野頼久国会議員団幹事長は東京都内で記者団に「案を丸のみぐらいのんでもらわなければ賛成できない」と明言した。松井一郎幹事長も大阪市内で「国民の知る権利にもかかわるのに、与党単独で強行採決するのか」と与党側をけん制した。
一方、みんなの修正案は、閣僚らが行う特定秘密の指定や延長・解除に首相の同意を義務づける−−など5項目。首相の同意義務づけなどに与党は難色を示した。ただ、国会によるチェックや情報収集業務を行う職員の倫理保持の必要性については前向きな回答をしている。みんなは18日、与党側の回答を精査し、同日の修正協議に臨む。15日の協議後、自民党の実務者は「みんなの党は前向きだった」と語っており、修正合意に達する可能性がある。【阿部亮介、熊谷豪】