福島 洋上風力発電の実験開始11月11日 15時4分
震災と原発事故からの復興を目指し、福島県の沖合に設置された国内最大規模の風力発電施設では、11日から実用化に向けて実証実験の発電が始まりました。
実証実験の発電が始まったのは、経済産業省が福島県楢葉町の沖合20キロの洋上で行う国内最大規模の風力発電施設です。
11日は、作業拠点となっているいわき市の小名浜港で、関係者が出席して式典が行われました。
式典では、経済産業省の赤羽副大臣が「原発事故で傷ついた福島の地が再生可能エネルギーの先駆けの地になるよう、復興のシンボルとして成功させたい」と述べました。
続いて、赤羽副大臣と福島県の佐藤知事が、運転開始のスイッチを押し、スクリーンに映し出されたライブ映像で、風車がゆっくりと動きだすと、大きな拍手が起きました。
海に浮かべる「浮体式」と呼ばれる風力発電は、強い風が安定して吹く沖合に設置できるため発電効率が良く、次世代のエネルギーとして注目されています。
震災と原発事故からの復興を目指す福島県への後押しとなるこの実証実験では、風車1基で、一般家庭2000世帯分の電気を発電する能力があります。
国は、来年度はさらにその3倍以上の能力のある風車を2基増設し、実用化に向けて漁業への影響などを検証する計画です。
福島県知事「大きな追い風に」
式典に出席した福島県の佐藤知事は「福島県は再生可能エネルギーの推進に取り組んでいて、30年後にエネルギーを地産地消できる態勢をつくろうとしているが、浮体式洋上風力発電の実証実験は大きな追い風になると思う」と話しました。
いわき市長「新産業を興したい」
式典に出席した福島県いわき市の清水敏男市長は「震災で地域経済が疲弊しており、市民にとってもうれしい話題だ。復興景気は長くは続かないので実験に終わらせることなく実用化につなげ新たな産業を興していきたい」と話しました。
漁協組合長「新たな漁業形態必要に」
式典に出席した地元の相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は「福島県は底引き網漁が主体で海底に設置されたアンカーなどが障害になる。実証段階から実用化に移るには、現状にマッチした新たな漁業形態が必要となり難しい課題だと思う」と話しました。
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