2013年11月16日13時13分
【ハーグ=野島淳】オランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)は15日の執行理事会で、シリアが申告した化学兵器のうち、危険度の高いものを2014年3月末までに国外で廃棄するなどとした計画で合意した。しかし、廃棄処理の受け入れ国は決まっておらず、協議が続いている。
シリアがOPCWに申告した化学兵器は計約1290トン。計画では、毒性の高い物質を年内に船でシリア国外に運び出し、14年3月末までに廃棄。毒性の弱い物質も同年2月5日までに国外に運び出し、同年6月末に全廃を達成する。シリア国内に残った生産設備は、シリア側が同年3月半ばまでに破壊する。
化学物質を国外に運び出すのは、シリアで内戦が続き、処理が難しいためだ。受け入れ先として、一時はアルバニアが有力とみられていた。シリアから比較的近いうえ、保有する化学兵器約16トンを07年に全廃した経験があるからだ。だが、同国で大規模な受け入れ反対運動が起き、ラマ首相は15日、受け入れの拒否を表明した。
このためOPCWは、計画に受け入れ国を明記しないまま、合意することとなった。12月17日までに国外廃棄の詳細計画を詰める。執行理事会後、OPCW幹部は記者団に「ほかに候補国はある。処理は計画通りに進む自信がある」と述べたが、国名は明らかにしなかった。
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朝日新聞国際報道部
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