安倍晋三首相は16日午前、特定秘密保護法案をめぐる与野党の修正協議について「一部の(野党)提案にあるように、第三者的な仕組みによって適切な運用を確保することも重要な課題だ」と述べ、日本維新の会が求める秘密指定の基準などの妥当性をチェックする機関設置に前向きに対応する意向を示した。カンボジア、ラオス訪問を前に羽田空港で記者団に語った。

 法案では秘密指定の基準づくりに有識者の意見を聴くことになっているが、野党側は秘密指定のチェック機能強化を要求する。日本維新の会も「独立した行政の組織・部局」(山田宏衆院議員)を設置して秘密指定の基準などの妥当性を検証すべきだと主張。森雅子・同法案担当相は15日の衆院国家安全保障特別委員会で「行政機関の内部に第三者的な機関を設けたらどうかという指摘は謙虚に受け止めて検討する」と答弁した。

 首相は16日、記者団に「重層的な仕組みによって恣意(しい)的な指定がなされないようになっている」と強調したうえで「国会でさまざまな議論がなされている」と法案修正に柔軟に対応する考えを示した。野党の一部の主張を受け入れて、懸念の強い法案成立を目指す政権への批判をかわす狙いがあるものとみられる。

 法案の今国会成立を目指す安倍政権は与野党で週明けに法案修正で合意し、今月下旬に衆院を通過させたい考え。ただ、国民の「知る権利」の制限や報道・取材の自由の阻害につながるなどの懸念は払拭(ふっしょく)されていない。