【川端俊一】憲法を守ろうと訴える有識者や市民らが結成した「九条の会」の全国交流・討論集会が16日、東京都内で開かれ、国会で審議中の特定秘密保護法案に対する批判が相次いだ。

 約600人が参加。呼びかけ人で憲法研究者の奥平康弘さんは、1970年代に米国で政府のベトナム戦争の報告書を暴露した報道を例に、「国家の秘密が明らかになっても混乱は何も生じなかった」と指摘。「未来永劫(えいごう)、秘密を国民に明らかにしないようできる法律。9条改正にもつながる深刻なもの」と訴えた。

 「密約」などの著書のある作家の沢地久枝さんは、自ら取材した沖縄返還時の日米密約問題に触れながら、「どこからどこまでを秘密にするのか。あまりに無限定で、政府がどんなことも秘密にできる法律は前代未聞だ」と批判した。

 「九条の会」は作家の大江健三郎さんらの呼びかけで2004年に発足。全国各地で結成されている。