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転生から十五歳まで
5話 スキル決め③+ステータス
出だしから悪いけど、いきなりスキル取得だぜ!


少年スキル吟味中 now loadeing ………


最後だからな。たっぷり時間を使って取ったよ。

――――――――――

HP・MP増加    LV10 10pt
各ステータス増加  LV10 10pt
魔力消費削減    LV10 10pt
魔力回復速度アップ LV10 10pt
魔力回復効率アップ LV10 10pt
スタミナ消費削減  LV10 10pt
体力回復速度アップ LV10 10pt
体力回復効率アップ LV10 10pt
アイテムボックス(∞)   10pt
モンスター情報       10pt
アイテム知識        10pt
マップ           10pt
異世界言語理解       10pt
異世界文字理解       10pt
装備制限解除        5pt
立体機動          5pt
速読            5pt
値切り       LV5  5pt
売値増加      LV5  5pt
獲得経験値20倍     100pt
必要経験値20分の1   100pt
経験値プール        5pt
スーパーアーマー  LV10 550pt
計            900pt  残320pt

――――――――――

やっぱ隠しスキルなだけあって必要ptが高い奴や、レアらしきものが多くあったよ。
ただ、さっきも言った通り取りすぎてチートになりすぎるのは楽しくないので、こんくらいにしといた。充分チートな気がするのは気のせいだろう…。

さて、スキル最後の説明に入るとしようか。

HP・MP増加と各ステータス増加名前のままの効果だ。LV10だと2倍の効果が得られるようになっていた。

魔力消費削減は、魔法や魔導具?なるものを使用する際に消費する魔力量を減らすことのできるスキルだ。魔の伝道師との併用で更に使用率アップだって。LV10は消費魔力を大体90%カット。チートだね

魔力回復速度アップは、その名の通り、魔力回復速度が速くなるもの。魔力回復効率アップと併用して更に効果を上げてみました。2つ合わせて、計算では1秒でMP10%分の魔力を回復できるよ。これまたチート。

スタミナ消費削減は、魔力消費削減のスタミナ、つまり体力版だ。普通に走るなどの動作、運動での消費するスタミナが少なくなる。LV10で消費スタミナが90%カットされる。

体力回復速度アップと体力回復効率アップは、魔力回復速度アップと魔力回復効率アップのHP版。因みにスタミナとHPは違うので悪しからず。1秒で10%のHPが回復される。

アイテムボックスは、無限に物が入るアイテムボックスを入手できる。あれば便利だと思って取得。ただ、他のと被りそうな予感がハンパない…。

モンスター情報とマップは、セットで取った。モンスター情報は、魔物や魔獣、幻獣等の名前や情報が分かるスキル。マップはまんまだ。ただ、追加効果が多く、そのうちの一つであるマップ上に潜む生物を光点で示す、と言うのがあり、モンスター情報を併用すると光点のモンスターの名前や情報が分かるようになる。
アイテム知識はアイテムに関しての知識を得ることが出来る。例えば、鉱物だったり植物だったり。モンスター情報とマップの使い方と同じようにすると、どこにどのアイテムがあるのかが分かるようになる。

異世界言語理解、異世界文字理解は単に1から向こうの言語や文字を覚えるのがめんどくさいからだ。いや、覚えようとすればすぐに出来るんだからね?

装備制限解除は、本来なら5つしか装備できないアクセサリーを幾つでも装備できるようになるスキルだ。鍛冶や木工のスキルを持つ俺にとって、アクセサリーとかはバンバン作るつもりなので自己の強化の為に取ったのだ。

立体機動は、立体的な、つまり三次元的な空間を使った機動を補助するスキルだ。平和な日本で育った俺にでは、通常の戦闘ならともかく空間全てを使った戦闘が出来るか分からないから、保険だ。頑張って物にしたいと思う。

速読は本を早く読むためだけのスキルだ。一見無駄な気もするけど、知恵の図書館も合わせて即行記憶出来るので便利だとの判断からだ。

値切り、売値増加は単に俺が金にがめついだけだ。世の中金さえあればある程度の事は何とかなるんだよ。きっと。これは異世界でも通用するはずだ。

獲得経験値20倍と必要経験値20分の一はそのまま、経験値が多くもらえ、レベルアップの為に必要な経験値の量を減らせられる物だ。

経験値プールは獲得した経験値を、自身にでは無く経験値用のタンクの様な物に入れ、蓄積させておくことが出来るスキルだ。これを使えば自分が手に入れた経験値を他人に譲渡することも可能となる。

最後に目玉のスーパーアーマー。これだけ必要ptがLV×10ptと馬鹿高いが、効果は折り紙つきである。
気になると思うから焦らさずに発表しようか。
ズバリ!物理攻撃、間接攻撃、魔法攻撃に置いて、それぞれ90%のダメージカットを行うものだぁ!これぞチート!550ptって言う、バカじゃねーの!?って叫びたくなるpt払った甲斐があるぜ!F○零式の性能を思い出すね!殆どお役御免だったけどね!

……ふぅ。思わずテンションが上がってしまった。
まぁ、これで漸くスキル選びは終わりか。

「んー。結構掛かったな」
「そうだね。でも、ここで幾ら過ごしてもお腹は空かないし、眠くもならないから、ゆっくりやって貰って良いよ?」
「まあ元よりそのつもりだけどな」

ミノールも言ってた通り自分自身の事だし、妥協はしないつもりだ。…少しは弁えるつもりだけど。

「でもま、とっとと異世界ライフをエンジョイしたいしな。早めに決めるわ」
「うん。頑張ってね」

さて、ステータス決めますかー。

スキルのウィンドウを横にどけて、今まで触れられなかったステータスウィンドウを前に持ってくる。
パソコンをやるときのくせで、手を組んで前に伸ばして首を鳴らして、準備は完了。
さて!チャチャッとやりますか!


ステータス

名前  
年齢  
性別  
容姿  
種族  
仲間  
装備  
LV    1
HP    1500  (40500)
MP    6300  (170100)
SP    0 ↑↓
筋力   50 ↑↓ (150)
頑丈   45 ↑↓ (135)
敏捷   90 ↑↓ (270)
耐久   30 ↑↓ (90)
精神力  70 ↑↓ (210)
頭脳   90 ↑↓ (270)
器用   60 ↑↓ (180)
幸運   150 ↑↓ (300)
スキル  剣術LV10 ………
ユニークスキル 


括弧内はスキルの補正効果が上乗せされた分が書かれている。
と言うか既にステータスが最初の数倍とか…。色々やばいことになってるんだが…。
まあ良いか。俺チーターだし(開き直り)。

「なー。名前とかは決めれんの?」
「別に決めても良いけど、名前を選ばせてあげる楽しみは新しい親御さんに残してあげたら?」
「それもそっか。なら、年齢は関係ないし、性別か。うん。これは男一択だろう」

性別の欄を押して、男と書かれたボタンを押す。俺は異世界にTSしたい訳じゃないんだ。

「次は容姿っと」

性別の下に書かれた容姿の欄を押すと、今度は4つ選択肢が出てきた。

――――――――――

・ブサメン  +10pt
・フツメン   0pt
・イケメソ  -10pt
・イケメン  -20pt

――――――――――

ブサメンってww。+10ptって事は貰えるって事かよww。さすがブサメン。俺だったらどんだけpt積まれてもブサメンは絶対選ばんわ。転生までしてブサイクとか嫌だし。べ、別に今の容姿が酷いって訳じゃないんだからね!?勘違いしないでよね!?

それより気になるのは――

「イケメソって何?」
「イケメソはフツメンとイケメンの中間あたりの事、かな?どっちかって言うとイケメンよりだけど」
「比率は?」
「イケメン5.5でフツメン4.5位」
「良しイケメンにしよう」

ptは余ってるしね。
容姿イケメンっと。うし、完了。

「次はー」

種族か。
とりあえず開いてみる。

――――――――――

・人族

――――――――――

………あれ?人族だけ?

「やっぱり今と似てる方が良いと思ってね。竜人族とかになるとまともに翼とか尻尾動かせなさそうだし」
「まあ、人間には無い器官だしな」

納得。
人族にチェックマークを入れて次へ。

「仲間、ね」

ミノールが只で良いって言ってたのはこれか。
何があるのかな?

――――――――――

幻獣

・最弱 5pt
・弱  10pt
・中強 30pt
・強  50pt
・最強 100pt


神獣

・最弱 10pt
・弱  20pt
・中強 60pt
・強  100pt
・最強 200pt

――――――――――

高けぇぇぇぇぇ!!!???
何これ高っ!?スーパーアーマーのLV10取得時の100ptより高い!?

「そりゃあそうだよ。むしろ、安い方なんだよ?」
「何!?これがか!?」
「うん。だって、幻獣の最弱が5ptだけど、その仔育てば一匹だけでAランクの魔物を余裕で狩れるんだよ?本当なら十倍くらいのptでも不思議じゃないよ」
「なん……だと……」

最弱で50pt、最強だと2000ptも必要なのか!?高いってもんじゃないでしょ!
俺の初期ptと獲得したpt合わせても足りないし!

「でも只だから問題ないでしょ」
「あ。…そっか」

余りの高さに忘れてたわ。
こんなに強いのロハで貰えてラッキー。

「何体仲間に出来んの?」
「んー。三体かな。それ以上はちょっと」
「おk。把握」

ちょちょいと説明呼んで即行で決める。

選んだのは、幻獣の最強と、神獣の最弱と最強だ。説明は以下の通り。

幻獣(最強)
・幻獣種最強のモンスター。最初からSSランクの魔物を狩ることが出来、成長すればSSSランク(災害級)を一撃で屠ることが出来る。魔法は使えない。

神獣(最弱)
・神獣種の中ではワーストランク5に入るレベルのモンスター。初期ではBランクを倒すのが関の山だが、成長すればSランクを倒すことが出来る、かも。魔法は攻撃系魔法(弱)と回復系魔法(微)が使える。魔法も成長可能。癒し系。

神獣(最強)
・神獣種最強のモンスター。最初は幻獣(最強)と同じくらいだが、成長次第では魔王ですら一撃で葬ることも可能に。攻撃系魔法(神話級)と回復系魔法(神話級)が使える。最上級の魔法なので成長は無し。強さは幻獣最強よりも上。

うん。ビックリするほどチートだよ。特に魔王ってなんだよ。魔王って。世の中を脅かす魔族の王でもいんのか?戦争とか起こさないよね?
神獣の最弱を選んだのは偏に癒しが欲しいから。癒しは心のオアシスなのです。

「大丈夫さ。今代の魔王は比較的穏やかだからね。早々種族戦争なんて起こりやしないさ」
「そりゃ助かる」

俺の内心の不安を読み取ったミノールが教えてくれた。マジで助かる。
戦争なんてまっぴらごめんだからな。や、戦争するのが嫌いなんじゃないよ?唯、面倒臭そうだから。

「琢磨君は面倒臭がり屋なのか」
「いや、基本的にはマジメだぞ?でも、しんどそうなのとか嫌な事には面倒くさがりかな」

俺は自身の興味のある事しかしないナウいヤングなのです。

そんな俺の事は置いておいて、次は装備ですかー。やっぱカッコいいのとかが良いなー。

――――――――――

武器

・LV1 10pt
・LV2 30pt
・LV3 50pt
・LV4 70pt
・LV5 90pt
・LV6 100pt

防具

・LV1 20pt
・LV2 60pt
・LV3 100pt
・LV4 140pt
・LV5 180pt
・LV6 200pt

――――――――――

「あれ。防具の方が高い?」

俺的には武器の方が金のかかる気がするんだが。

「そりゃあ防具は命を守るための道具だからね。武器より高くなるのは当然さ」
「ふーん。そう言うもんなのか」

確かに初期投資では武器の方が安いよな。強化していくといつかは追い抜くけど。

「まあ、此処はどっちもLV6一択だよな」

武器も防具もLV6を取得する。
これ位はpt余ってるからな。後はステータスだけだし別に良いだろ。

LV6武器

神剣グラデルハイム
攻撃力   2500
魔法攻撃力 2500
防御力   1250
魔法防御力 1250
素早さ   250
幸運    100

追加効果

破魔   どんな魔法の効果でも打ち消すことが出来る。
HP吸収 攻撃した相手からHPを吸収し、自身のHPを回復させる。
MP吸収 効率した相手からMPを吸収し、自身のMPを回復させる。
自動修復 この武器が痛んでも魔力を吸い取ることで自動的に修復される。
使用権  正当な使用者以外がこの剣を使う時、唯の金属の塊となる。
特殊魔法 特殊な魔法を使うことが出来る。
形態変化 使用者の思うままの形に変えることが出来る。(剣、槍、槌、双剣、銃)
斬鉄剣  どんなに硬いものでも斬ることが出来る。剣形態時限定。
絶対貫通 どれだけ分厚い物でも貫通させることが出来る。槍形態時限定。
(オトコ)ノ一撃 どんなものでも叩き潰すことが出来る。槌形態時限定。
剣閃ノ舞 一回の戦闘で剣戟数が増えるごとに剣を振る速度が速くなる。双剣形態時限定。
照準補正 一度照準を向けるとけっして外れない。任意。銃形態時効果限定。

セット効果

HP  5000
MP  3000
筋力  500
頑丈  400
敏捷  250
耐久  300
精神力 250
頭脳  300
器用  200
幸運  500

追記:セット効果は神剣グラデルハイムと神鎧グラデルジークを装備していると発動する効果。これらはスキルの補正を受けず、追加された分の筋力や頭脳などは、HP・MPに反映されない。

説明
神界にあるとてもとても貴重で希少な鉱石をふんだんに使い、鍛冶の神が10年掛けて作り上げた神剣。攻撃と防御両方に補正のかかるまさに神剣に相応しい剣。
形態変化は神剣グラデルハイムが完成した後に、神ミノールによってつけられた効果。
一振りすれば魔物の群れが消滅し、楯として扱えば竜のブレスすら防ぐ。

LV6防具

神鎧グラデムジーク
防御力   3000
魔法防御力 3000
器用    100
頭脳    250

追加効果

疲労軽減 使用者の疲労を減らすことが出来る。
不備重  この鎧には重さが生じない。
自動修復 この鎧が痛んでも魔力を吸い取ることで自動的に修復される。
使用権  正当な使用者以外がこの剣を使う時、唯の金属の塊となる。
特殊魔法 特殊な魔法を使うことが出来る。
光燐ノ鎧 白いオーラを纏うことが出来る。格好いいだけ。
不動の鎧 どんな攻撃を受けても揺るがない。

説明
神剣グラデルハイムと同じ鉱石を使って、同じ鍛冶の神が15年掛けて作り上げた一式揃った鎧。防御に高い補正を持つ。
手甲で殴れば魔物が消し飛び、その鎧で攻撃を受ければ魔王の一撃すら防ぐ。


「防具の方が必要pt高いのに、武器の方がはるかに性能が良く見える不思議」
「気のせいだよきっと」

そうだよね。倍のpt払ったのにこれは無いよね?

「そんな事は良いから、チャッチャとステータスのパラメーター決めちゃおっか」
「お、おう」

笑顔のままなのに不思議な凄みを感じるミノールに押され、俺はそのままptをパラメーターに割り振るために、装備ウィンドウからステータスウィンドウに目を移す。


ステータス

名前  
年齢  
性別  男
容姿  イケメン
種族  人族
仲間  幻獣(最強)・神獣(最弱)・神獣(最強)
装備  LV6武器・LV6防具
LV    1
HP    1500  (40500)
MP    6300  (170100)
SP    0 ↑↓
筋力   50 ↑↓ (150)
頑丈   45 ↑↓ (135)
敏捷   90 ↑↓ (270)
耐久   30 ↑↓ (90)
精神力  70 ↑↓ (210)
頭脳   90 ↑↓ (270)
器用   60 ↑↓ (180)
幸運   150 ↑↓ (300)
スキル  剣術LV10 ………
ユニークスキル 

残pt  0+200=200pt


「おおう。スキルとかはギリギリだったのな」

危うくイケメンからイケメソになるところだったぜ。
でも、200ってちょうど良いな。ステータスは8つだから等分できるし。
そろそろ考えんの面倒臭くなってきたから、そうしよう。


少年ステ振り中 now loading ………


出来ましたー。
とりま、これを見てくれ。


ステータス

名前  
年齢  
性別  男
容姿  イケメン
種族  人族
仲間  幻獣(最強)・神獣(最弱)・神獣(最強)
装備  LV6武器・LV6防具
LV    1
HP    13125  (354375)
MP    23925  (645975)
SP    0 ↑↓
筋力   125 ↑↓ (375)
頑丈   120 ↑↓ (360)
敏捷   165 ↑↓ (495)
耐久   105 ↑↓ (315)
精神力  145 ↑↓ (435)
頭脳   165 ↑↓ (495)
器用   135 ↑↓ (405)
幸運   225 ↑↓ (450)
スキル  剣術LV10 ………
ユニークスキル 


「…今更だけどHPとMPがおかしい」
「……そうだね。スキルの補正で通常の27倍だもんね」
「………正直すごいやってしまった感があるんだが」
「………もう今更だよね。通常の計算に戻しても十分高いし」
「…………いや、ホントもう。なんかすんません」

この馬鹿高いと思われる(だって平均男性が20なんだぜ?普通に考えたらそいつ等のHP・MPは400前後。HPだと約886倍差。MPに至っては1615約倍差だし)ステータス+スーパーアーマーとか神鎧とかね。もうダメージ喰らわないんじゃね?ってレベルなんだけど……。

……まあ、今更後悔しても遅いけど。後から悔やむから後悔なんだ。今思い知った。

「ふぅ。……とりあえず決めるもんは決めたし、早速行きますか」

凝り固まっているような気がする体を伸ばす。
少しヤバくなっていた内心が切り替わり、高揚感が湧き起こってくる。

異世界はどんなところなのだろうか。俺の新しい家族はどんな人たちなのだろうか。向こうでも友達を作れるだろうか。彼女は出来るのだろうか。

大きな期待と、僅かな不安が心を掠める。俺はアグレストに馴染めるのだろうか、と。

いや、馴染めるかどうかは、俺次第だな。日本人の順応力の高さを如何なく発揮してやる!

やっぱり不安は消えないけど、それでも行く覚悟は出来た。どうせ尻すぼみしていても意味ないし、行くっきゃなかったけどさ。

「さてミノール。連れて行ってくれ」
「うん。あ。一つ言い忘れてたけど、向こうではスキルを初めて見ることが出来るようになるのは五歳からなんだ。それまでは異世界言語理解と異世界文字理解以外のスキルは使用できないから、気を付けてね。あと五歳までは普通のステータスだから」
「そうか。まあ使えるスキルが異世界言語理解と異世界文字理解あるだけでも取った意味あるだろ」
「その二つはパッシブだけどね」
「それは言うな」

軽く笑い、お互いに自然と手を伸ばす。

「ありがとうなミノール。お前のお蔭で意識持ったまま転生できるんだ。感謝してもしきれねえよ」
「こちらこそ、琢磨君。こうやって誰かと長い事喋ることは滅多にないからね。楽しかったよ」

硬く交わしあった手をゆっくりと解き、おもむろに、名残惜しげに距離をとっていくミノール。その顔は僅かに悲し気だ。
まあ、コイツといると俺も楽しかったし、分かれるのはちょっと惜しいかな。

と、内心で思っていると、ミノールは何か思いついたのか顔を輝かせた。と言うか綺麗な笑顔だなオイ。後光が見えるよ。神様かよお前。あ、神か。

「そうだったよ!もう一つ言い忘れてた!琢磨君が寝る前に僕に会いたいって思ってくれたら、夢の中で僕と会えるからね!」
「へぇー。そりゃあ便利な神コールだ事」
「ふふふ。これでお喋りできる友達が出来たよ」

…今の言動からすると、こいつって友達居ないのか?

「い、いいいい居るよ!ただ、相手が黙ったままで頷くしかしてくれないなんてことは無いけど……」
「そりゃあ会話じゃねえな」

その相手聞き流してるだけだろ。

「うぅぅ…」
「ま、暇なときは神コールでもするから、そん時はよろしくな」

俺がそう言って、俺の腹くらい位置にあるミノールの頭を撫でる。今思ったけど小っこいのな。
フワフワした感触の髪の毛を存分に堪能した後、ゆっくりと手を離して距離を取る。
ミノールはそんな俺を見ると、真剣な顔付に変わる。
転生させんのにも集中せにゃならんのかね。

「それじゃあ琢磨君。今から君をアグレストに送るね」
「おう。次に会うのは……俺の気まぐれ次第だな」
「ふふ。早く呼んでくれるのを待ってるよ。……っと、準備完了。それでは北条琢磨君。良い転生を」

そう言ってほほ笑み、手を振るミノール。
俺も手を返そうとして……視界がだんだんと低くなっているのに気が付いた。

訳が分からず、下を見てみると、地面が無くなり、黒い地面がポッカリと口を開けているじゃあーりませんか。
こんな半霊界の様な所でもしっかりと重力の概念はあるようで、俺は自重に任せて自由落下。

「あ~~~~れ~~~~~!!!」

間延びした声で叫びつつ、俺の意識はそこで途絶えた。
今回で漸く転生前が終わります。無駄に長くなってしまいました。本来なら半分位の長さにするつもりだったのに…。orz
余談ですが、何気に武器と防具の名前を決めるのに時間が掛かりました。ネーミングセンスが欲しいです…。結構切実に。

説明が不明瞭で分かりにくい、又はもっと詳しく知りたいと言うスキル等があれば感想に書いていただければ返信致します。


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