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転生から十五歳まで
3話 スキル決め
「へぇー、って、反応薄くない!?」

また腕を真上に振り上げてプンスカと言った感じに頬を膨らませるミノール。リスみたいで、そんな頬を突っついてみたい衝動に駆られるが、右腕を押さえて我慢する。よし、我慢できる。俺は我慢の子なのだ。

ミノールは変わらぬ俺の態度にどう思ったのか、一つ溜息を吐くと説明を再開する。

「君の所持ptは500だから、500ptを自在に割り振ってね。はい、これがスキル一覧とステータス画面。スキルを選ぶのは慎重にね。折角のptが無駄になっちゃうかもしれないから」

パン、と柏手を打つと、俺の前に半透明の二つのウィンドウが、中空に浮き上がる。指パッチンは諦めたm「違うよ!」…まあいいか。とりあえず、スキル一覧とステータスを見てみるか。

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ステータス

名前  
年齢  
性別  
容姿  
種族  
仲間  
装備  
LV    1
HP    1500
MP    6300
SP    0 ↑↓
筋力   50 ↑↓
頑丈   45 ↑↓
敏捷   90 ↑↓
耐久   30 ↑↓
精神力  70 ↑↓
頭脳   90 ↑↓
器用   60 ↑↓
幸運   150 ↑↓
スキル  無し
ユニークスキル 

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これがステータスねえ。名前とか性別が空欄なのは、今から決めるって事なのかな?それに各数値が高いか低いのか。基準が分からねえな

「因みにアグレストでのLV1成人男性の平均値は20前後だよ」

俺の思考を読み取ったミノールが助言してくれる。
…俺のステ高過ぎね?

「君のは、生前の琢磨君のステータスを数値化したのを各五倍にしてあるからね。高いのは当然だよ。それとHPとMPの計算式は本来、HPが筋力×耐久÷10、MPが精神力×頭脳÷10なんだけど、どっちも÷10を無くしてるよ」

道理で高いわけね。気になるのは俺の耐久なのだが…。ミノールの言うとおりだと俺の元の耐久は6にならないか?確かに俺は持久走とか、体力は無かったけど…。

「アグレストの世界観が中世ヨーロッパ位で、魔物が闊歩しているって言ったよね?農業に就く人が多いから自然と逞しくなるし、そうでも無かったら魔物となんて戦えやしないさ」

まあ、高いぶんには文句ないので次に行こう。

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スキル一覧

・武器スキル
・魔法スキル
・生産スキル
・家事スキル
・その他
・隠しスキル
(隠し)スキルpt取得

ーーーーーーーーーー

「…ちょっと待てや」

色々と突っ込みどころがあるな。主に三つほど。

「その他って…纏めすぎだろ。それに最後の二つ。隠せてねえし」
「オカシイナー。トウメイヒョウジノハズナノニナー」

ミノールをジト目で見てみると、すんごい棒読みで顔を反らしやがった。
逸らした後もジッと見てやると、ウッ、と呻きながらもこちらに向き直った。さあ、正直に言いなさい。お兄さん怒らないから。

「うう…。お詫びだよぉ」
「成程納得」

うるうる涙目の上目遣いは威力が高いのだ。それがユニセックスな美子供にされるとな。俺が悪いことしてるみたいな気持になって来るんだ。うん。ミノール、罪な子っ!

とか言うアホな事は置いときつつ。
使い方が分からないので、ネットの様にウィンドウのタブに指を当てて動かすと、指に合わせてウィンドウも動く。タッチすると反応するのか。
ステータス画面の筋力の数値の横にある上の矢印を押すと、数値が50から53に変わった。代わりにウィンドウの右上に書かれた500が499に変わった。1pt仕様でステータスは3上がるのか。

「なあミノール。どういう風にpt割り振ったらいい?」
「それは琢磨君が決めるんだよ?自分のこれからの人生を決める物なんだから自分で決めないと」

うう、正論過ぎて反論できない。

「でも、少しヒント上げるね。スキル選びは慎重にすること。中にはレアなスキルもあるけど、本当にカスみたいなのもあるから。Ptを無駄に使わないようにね」

神様からのありがたいお言葉!感激です!

「キャラ違うくない?」

気にしなーい。

喋るのが面倒臭くなってきた俺は思考でミノールと会話しながらスキル一覧を自分の前に持ってきた。

まずは武器スキルから選ぼう。


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・剣術   LV1 1 pt ↑↓
・槍術   LV1 1 pt ↑↓
・格闘術  LV1 1 pt ↑↓
・盾術   LV1 1 pt ↑↓
・弓術   LV1 1 pt ↑↓
・棒術   LV1 1 pt ↑↓
・杖術   LV1 1 pt ↑↓

etcetc

――――――――――

多いよ…。

これでも纏めたんだよ?全部乗せると片手剣術とか短剣スキルとか大分細かいのとかがあるんだよね。他にもネタ武器スキルとか。ハリセンみたいな。
ともかく多いので割愛。

「やっぱベーシックに剣術かな」

とりま剣術の詳細を見てみることにした。
詳細は見たいスキルの名前の所をタップすると新たなウィンドウが開き、そこに情報が載っている。

――――――――――

剣術
剣の扱いに関するスキル。
LVに応じて強さが変わり、使える武技が変わる。
剣術LV1の武技は‘一閃(スラッシュ)

――――――――――

「武技?」
「ああ、説明忘れてたね。ええっと、なんて言ったらいいのかな。武技は自身のMPを消費することで使える武器専用の技?って感じ。武器版の魔法って考えて貰って良いと思うよ」
「へー。面白そうだな」

面白い事は即決なのです。
説明ウィンドウを消し、剣術のレベルを上げる。
上矢印を押すとLV表示が2に変わった。上下の矢印が消えないから、まだ上があるって事か?
上矢印を連打して見る。
LVが10に上がったところで上矢印が黒色から灰色に変わってしまった。ふむ。最高LVは10なのか。
減ったptは10。LVは1上げるたびに1 pt消費固定か。スキルによって変わると思うけど。

「LVによっての基準ってどんな感じになってる?」
「1が初心者。2~4が経験者で、5~8が師範代レベル。9は一部の天才が稀になる感じ。10に行くと神だね」
「おおう。そんなチートに10ptでなれるなんて!」

よし!こうなったら気に入ったやつをLV10にあげてやる!


少年スキル吟味中 now loading ………


武器スキルはこうなりました。

ーーーーーーーーーー

剣術    LV10  10 pt
魔闘術   LV10  10 pt
運動の神髄      5 pt
身体能力強化     10pt
計          35pt  残465pt

ーーーーーーーーーー

剣術スキルは予定通り。

魔闘術と言うのは、まあよくある魔力を体に纏わせて身体能力強化して格闘術する?みたいな感じだと思う。説明呼んだ限りでは。

運動の神髄は運動がハンパなく上手くなるスキルだ。体捌きスキルとかもあったけど、これさえ取って置けば問題ないと思う。勘だけど。後副次効果で体を使ったスキルを取得しやすくなるとか。こっちの方が選んだ主な理由だったりするのは内緒。

身体能力強化はそのままの意味。ステータス見てから分かったけど、これ取ったら身体のパラメーターが1.5倍になってた。HPも普通に1.5倍の恩恵受けてるし、パラが上がったから結構上がってたよ。これで10ptは安い!上昇率が1.5倍固定ならLV上がった時に上昇値がヤバくなるからね。お得だ。

次は魔法か。
メンドイから選ぶところはカットで。

――――――――――

火属性魔法  LV10  10pt
水属性魔法  LV10  10pt
土属性魔法  LV10  10pt
風属性魔法  LV10  10pt
雷属性魔法  LV10  10pt
氷属性魔法  LV10  10pt
光属性魔法  LV10  10pt
闇属性魔法  LV10  10pt
回復魔法   LV10  10pt
創造魔法        3pt
空間魔法        3pt
時間魔法        3pt
精霊魔法        3pt
契約魔法        5pt
魔の伝道師       5pt
知恵の図書館      5pt
計          102pt  残358pt

――――――――――

各属性魔法は言わなくても分かるよな?よく漫画とか小説に乗ってるし。簡単に言うなら頭に付いた文字通りの属性を使う魔法。

回復魔法も分かるよな?傷ついた体を癒したり、毒に侵された体を治したり。ともかく不健康な状態から健康な状態にする魔法の事だ。いざと言う時の為に取って置いた。

創造、空間、時間魔法はLV表示が無く、説明も大体同じって言う手抜き加減が透けて見える内容だった。まあ、魔法系統のスキルは大分自由度が高いみたいだし、異色のこの3つは使用者の想像次第ではかなり強力になるらしい。イメージは得意です。

精霊魔法もLV表示は無いんだけど、これはしっかりとした説明があった。精霊魔法は最初に行使できる魔法は一つだけで、それを使っていろいろしていくらしい。まあ、詳しい説明はまた今度。

魔の伝道師は、運動の神髄と身体能力強化を合わせての魔法版と言った所か?MPや魔法に関する扱いが上手くなり、魔法のスキルを取得しやすくなる。魔法は大体取ったからあんまし意味無いけど。
そして魔法に関係のあるパラが上がっている。効果は同じく1.5倍。

知恵の図書館は、これ魔法なん?ってな感じのスキル。効果は簡単。一度見たり聞いた物や者は決して忘れなくなると言う、一種の瞬間記憶能力だ。便利そうだから取った。

「ふぅ」

溜息が出る。既に1時間くらいぶっ通しでスキルを見ていたから、精神的に疲れた。
肉体的には全く疲れていない。やはりあれか。俺は今霊体だから疲れを感じないとか?
1時間も首俯けてると痛くなるはずだしそうかな?

「でもスキルはまだまだあるし、とっとと決めちまおう」
「ドンドンドンパフパフー」

首を回して気持ちリラックスして、作業に取り掛かろうとした時、ミノールが太鼓と一昔前の暴走族が付けていたパフパフを鳴らして、パーティーなどで鳴る音楽を再現する。今鳴らすのそれ?

「気分だからいいんだよ」
「そーかい。それで、どうしたんだ?」

もし疲れを癒してくれるって言うならジュースでも出してくれると助かるんだけど…。

「残念ながらジュースは無いけど、代わりにお楽しみのスキルptゲットを、はっじっめっるよっー!」
「………」

テンション高いなオイ。
あれか?深夜テンションって奴か?深夜か知らんけど。

まあ、俺が言う事は一つだろう。
息を吸い込んで、言葉を紡ぐ。

「別に楽しみにしてなかったけど」


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