難病・障害児の小中通学を支援 医療ケア要綱策定へ
名古屋市教委 検討委員会を年内立ち上げ
名古屋市教育委員会は、痰(たん)の吸引など看護師らによる医療的ケアが必要な児童生徒が市内の公立小中学校で安全に支援を受けられるよう、医師や医療関係者らでつくる検討委員会を年内に立ち上げる。従来は特例的に対応してきた障害児や難病の子どもを、本人や保護者の希望に応じて受け入れていくため、緊急時の対応など医療的ケアの実施要綱策定も目指す。
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市教委は2012年に初めて、医療的ケアのため小学校に看護師を配置。希望校や必要なケアを保護者と話し合って個別に対応し、同年には難病のため人工呼吸器を着けている瑞穂区の林京香ちゃん(8つ)、今年は気管切開をした西区の近藤精哉君(7つ)がともに地元校の普通学級に入学した。
中央教育審議会は昨年、「障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきだ」と報告。そのための環境整備が各自治体で進められている。ただ、政令市で医療的ケアの実施要綱を策定しているのは大阪市や仙台市など4市にとどまる。看護師の確保が難しく、保護者が付き添いをしたり、看護師が常駐する県立の特別支援学校への入学を勧める市もある。
検討委は、学校に配置する看護師の役割や安全基準なども明確に示す考え。市教委は「専門家の提案を取り入れながら、保護者の希望に最大限応えたい」と話す。
名古屋「障害児・者」生活と教育を考える会の川本道代代表は「医療的ケアが必要でも安心して地域の学校へ通える大きな一歩」と評価。「障害がある子と一緒の教室で過ごすと、ほかの子も工夫しながら生活する姿を見て自然と手を貸したり、付き合い方を身に付けることができる」と教育効果を指摘した。
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