ウイグル自治区で武装集団が派出所襲撃11月17日 6時0分
中国の新疆ウイグル自治区で、16日、派出所がウイグル族とみられる武装集団に襲撃されて警察の関係者2人が死亡し、襲った9人は全員その場で射殺されました。
中国国営の新華社通信によりますと、16日夕方、新疆ウイグル自治区カシュガルのマラルベシ県で刀やおので武装した集団が派出所を襲撃し、警察の関係者2人が死亡、2人がけがをしました。
武装集団は9人で、全員その場で射殺されたということです。
9人のうち、1人しか名前が明らかにされていませんが、その人物は名前からウイグル族とみられることから、ほかの仲間もウイグル族であるという見方が広がっています。
新華社通信は「現地の社会秩序は回復した」と伝えていますが、先月末に北京の天安門の近くで車が炎上し、ウイグル族が犯行に関わったと断定されたばかりで、今回の襲撃事件は、習近平指導部のウイグル族に対する締めつけの強化にもかかわらず、依然として反発が強いことを示しています。
新疆ウイグル自治区では、ここ数年、漢族との経済格差などに不満を募らせたウイグル族による抗議行動が後を絶たず、今回の事件が発生したマラルベシ県では、ことし4月、衝突が起きて住民や警察官など合わせて21人が死亡しています。
死者出す抗議活動相次ぐ
新疆ウイグル自治区では、人口の半数近くを占めるウイグル族が、宗教活動を巡る政府の締めつけや漢族との経済格差に不満を募らせていて、ここ数年、死者を出す抗議活動が相次いでいます。
このうち、2009年には、自治区最大の都市ウルムチでウイグル族による抗議デモが大規模な暴動につながり、政府側の発表でおよそ200人が死亡しました。
ことしに入っても、4月に今回の事件が発生したカシュガルのマラルベシ県で衝突が起きて警察官や住民合わせて21人が死亡したほか、6月には東部のトルファンで刃物を持った集団が警察施設などを襲い、住民や警察官合わせて35人が死亡しています。
また、先月28日、北京の天安門の近くで車が歩道に突っ込んで炎上した事件では、観光客2人を含む5人が死亡して40人がけがをしており、捜査当局は新疆ウイグル自治区の独立を主張する「東トルキスタン・イスラム運動」という組織が関与したテロと断定しています。
[関連ニュース] 自動検索 |
[関連リンク] |
|