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国際
【から(韓)くに便り】ソウル駐在特別記者・黒田勝弘 反日の落としどころ
2013.11.17 03:01
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韓国に「克日」という言葉がある。反日や親日と同じく日本がらみで「日本を克服する」の略語である。「日本に勝つ」とか「日本を追い越す」と似たような意味だが、もっと精神的な意味が込められているので「日本を乗り越える」といった感じだろうか。
1980年代初め、最初の教科書問題で反日運動が高まったときに登場した。反日世論を沈静化させるため「反日から克日へ」と政府とマスコミが一体となってキャンペーン的に使った。
つまり、日本に対して非難、糾弾するだけの「反日」は日本へのコンプレックスの裏返しで、民族感情の発散にすぎない。日本に勝つためにはやはり自分たちが力をつけるしかない。本当に日本に勝とうとすれば、瞬間的な反日ではなく持続的な自助の努力が必要だ-これが克日論である。
それがさらに「日本を克服するためには日本を知らなければならない」という「日本を知ろう」キャンペーンになった。「敵に勝つには敵を知れ」という“孫子の兵法”である。反日から克日・知日へ…と世論を誘導することでさしもの反日運動も収まった。
当時、韓国は全斗煥(チョンドゥファン)政権で日本は中曽根康弘政権だったが、米国のレーガン政権を加え「日米韓協力の最良の時代」といわれた。世論調査でも対日感情が最も良かったときで、皇太子殿下(現・天皇陛下)ご夫妻の訪韓さえ実現直前までいった。
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