高性能なスマートフォン(多機能携帯電話)の普及に伴い、問題となっている「ネットいじめ」について考える講演会(県主催)が14日、岡山市北区天神町の県天神山文化プラザであった。無料通話アプリ「LINE」などの登場で、新たないじめの形態も発生し、全国的には事件に発展する場合も。教育、行政関係者約130人が「大人が正しく理解し、子どもたちを守る」ことを誓った。
LINEをめぐってはやりとりの文言などをきっかけに事件になるケースが相次いでいる。7月に呉市で専修学校の女子生徒の遺体が見つかった事件では、LINEでのけんかが暴行の引き金になった。9月には呼び掛けを無視したとして、広島県の高校生が両足を縛られ、友人4人に川に落とされる事件もあった。
講師を務めた慶応大SFC研究所の渡辺真由子上席所員によると、LINEは相手が反応を返さないと「既読無視」状態になり、トラブルに。「仲間外れにされたり、誹謗(ひぼう)中傷されたり。深刻化すると不登校や事件、自殺につながることもある。子どもは返信するため、常に臨戦態勢でいなければならない」と説明した。
対策としては「まず大人が正しく理解し、活用する能力を養うこと。ネットによるいじめや犯罪について子どもと一緒に話し合い、考えて」と訴えた。