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福知山線脱線事故でマンション保存案
11月16日 22時43分

福知山線脱線事故でマンション保存案
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8年前、107人が死亡したJR福知山線の脱線事故の遺族などを対象にしたJR西日本の説明会が開かれ、JRは電車が衝突したマンションについて、事故の跡が残る2階までを保存する案を初めて示し、今後、意見を聞きながら検討を進めていく考えを明らかにしました。

平成17年4月に兵庫県尼崎市のJR福知山線で起きた脱線事故では、電車がカーブを曲がりきれずにマンションに衝突し、107人が死亡、562人がけがをしました。
JR西日本は事故の遺族などを対象に毎年、説明会を開いていて、ことしは16日と17日行われ、初日の16日は200人近くが出席しました。
説明会では、電車が衝突し、今は誰も入居していないマンションをどうするかについて、犠牲者を悼み、事故の悲惨さや安全の大切さを伝えていく場として9階建てのうち、事故の跡が残る2階部分までを保存する案が初めて示されました。
そして、慰霊碑などを設けたうえで、事故の跡を見えるようにするか、それとも囲いを作って見えないようにするか、囲う場合はどのようにするかなど具体的な4つの案が示されました。
マンションについては遺族などから「すべて保存してほしい」という意見の一方、「すべて撤去してほしい」という声も根強くあり、JRは、理解を得る努力を重ねたうえで、今後、意見を聞きながら検討を進めていく考えを明らかにしました。
JR西日本の真鍋精志社長は「被害に遭われた方々にどう寄り添うのか、工夫の余地があると思う」と話していました。

遺族「残せるならすべて残して」

事故で息子を亡くした上田弘志さん(59)は、「示された案はいずれも現場が小さくなってしまうもので、納得できるものはなかった。現場が見えるとつらくなりお参りに行けないという方もいるが、一度なくしたり小さくしたりしてしまったら事故がなかったことになってしまう。JRの社員にとっても学びの場がなくなってしまう。事故を風化させないためにもさまざまな意見を聞いたうえで、残せるものならすべて残しておいてほしい」と話していました。

被害者「事故の重大さ実感できるよう」

列車の2両目に乗っていて足の骨を折るなどの大けがをした小椋聡さん(44)は、「示された案ではきれいになりすぎて、かけ離れた印象を受けました。事故の重大さを実感できる形できちんと残し、伝えていかないと事故が風化してしまう」と話していました。
また、次女が2両目でけがをした三井ハルコさん(57)は「想像していたよりも保存する部分が小規模だと感じました。風化させたくないという思いからは、きちんと残しておかないと意義が薄れると思います。今後、案をまとめるうえで多くの方の意見をきちんと聞く場を作ってほしい」と話していました。

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