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COP19 途上国支援で対立深まる
11月17日 4時57分

COP19 途上国支援で対立深まる
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ポーランドで開かれている、地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP19では、フィリピンが台風の直撃で甚大な被害を受けたことをきっかけに、温暖化が原因とみられる異常気象などで損失や被害を受けた途上国に対する支援を巡り、先進国と途上国の間で対立が深まっていて、今後も交渉が難航することが予想されます。

COP19では、海面の上昇による居住地域の減少や、巨大な台風といった異常気象の増加による被害など温暖化が原因とみられる現象で、途上国が受けるおそれのある「損失と被害」について、各国が支援するための仕組みを作ることが前回のCOP18で決まり、今回、焦点の1つになっています。
しかし、これまでの事務レベルの協議では、途上国が、被害などを受けた国を財政や技術的な面で支援するための新たな組織を設けるよう主張しているのに対し、先進国は、これまでのCOPで設けられた既存の機関や制度を活用するべきだと主張していて、双方の意見の隔たりは大きくなっています。
政府関係者によりますと、この議論を巡っては、フィリピンが台風30号の直撃で甚大な被害を受けたことをきっかけに、途上国が交渉で強い主張を展開し、先進国と途上国との間で対立が深まっているということです。
会議は今月22日まで開かれる予定ですが、双方が最終的にどのような形で合意するのか、不透明な情勢で、今後も交渉が難航することが予想されます。

デモ行進で議論の進展訴え

COP19では、参加しているすべての国や地域を対象に、温室効果ガスの削減に向けた2020年以降の新たな枠組みについて議論が行われていますが、先進国と途上国との間で削減の取り組みにどのように差を設けるかという点などを巡って意見の隔たりが大きく、対立が続いています。
こうしたなか、日本時間の16日午後、ポーランドで開かれているCOP19の会場の周辺では、世界各国の環境NGOのメンバーなどおよそ1000人が大規模なデモ行進を行いました。
参加者は「今こそ行動を」と書かれたプラカードを掲げたり、シュプレヒコールを上げたりして大通りを歩き、温室効果ガスの削減に向けた議論を進展させるよう訴えていました。
オーストリアから参加した女性は「私たちが自分たちの権利と地球のために立ち上がっていることを各国の政府に示したい。もうこれ以上、環境を悪化させないでほしい」と話していました。
このデモ行進には、日本の学生も参加していて、このうち、立命館大学の門川裕美さんは「先進国と途上国の対立を打開して、地球環境や将来の若者のことを思った合意を目指してほしい」と話していました。

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