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【芸能・社会】

72歳倍賞千恵子が“ヘンシ〜ン!”しちゃった 日中共同製作映画「東京に来たばかり」

2013年11月17日 紙面から

今作について語る倍賞千恵子=東京都内で(五十嵐文人撮影)

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 東京、福岡などで公開中の日中共同製作映画「東京に来たばかり」で、女優の倍賞千恵子(72)が、頑強な農民と高名な囲碁棋士の両面を併せ持つ、魅力的な老婦人を好演している。中国のジャン・チンミン監督から熱烈なラブコールを受けての主役登板。6年前に製作が一度頓挫し、やっと完成にこぎつけた経緯から、倍賞は「私の人生の中でも忘れられない作品」と話す。

 囲碁の修練のため来日した中国人青年(チン・ハオ)が出会った一人の老婦人・君江(倍賞)。君江との温かな交流を通して青年は日本を知り、なじんでいく。

 君江は、普段は手ぬぐいをかぶり、野菜入りの段ボール箱をいくつも背負って都会へ行商に来る田舎の老婦人。だが、きちんとした和服姿になるや、かつて鳴らした女性棋士の凜(りん)とした姿になる。そして青年の囲碁修業を陰ながらバックアップしていく…。

 「“ヘンシ〜ン!”みたいな」と笑う倍賞は、「片田舎で一人で生きてるおばあさんが実はタダモノでなく、キリッとしたときの着物の裾さばきの音まで聞こえてくるイメージがあって、この役はぜひやってみたいと思った」と振り返る。

 碁石をテーブルの上にいつも5個置いておき、ヒマさえあれば、パチッと鳴らして打つ練習を積んだ。囲碁番組もよく見たという。

 「そのうち、外を歩いてても、どこかに空きがあると打ちたくなった」そうだ。

 「働き者という意味では私と君江は似てるのかな。君江の体を動かしてるところが好き。年を重ねてもカッコいいし、尊敬します」。そんな共感のにじむ演技を見せる倍賞は「違う国の人同士が友達になれる。面白く見てほしい」と言う。

 倍賞の大ファンで「あなたじゃなきゃダメなんです! そのまんまでいいから」と出演を熱望したジャン監督や、中国人キャストたちとは当然、通訳を介してやりとりしたが、うまく伝わらないことも多かった。「だんだん面倒くさくなって、お互い顔見てる方が(理解が)早かった。結局、みんな同じ山を登ろうとしてる人間たちなんで」と苦笑する。

 作品の毛筆の題字は、倍賞の字を見た監督にせがまれ、倍賞自身が手がけた。

 

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