菅野、アリゾナトレで２年目ジンクス打破へ「進化」

キャッチボールをする菅野

　巨人の菅野智之投手（２４）が１６日、１２月中旬から年明けまで米アリゾナで自主トレを行うと明かした。守護神・西村、田原誠らとともにＤバックスの施設などを使う。昨オフは西村が当地で世界制覇したＲソックスの先発ローテを務めたバックホルツらと合同自主トレしたとあって、今オフも現役メジャーリーガーと“合体”する可能性は大。課題に挙げる直球の球速とキレを求め、「２年目のジンクス」を打破する。

　来季への決意と期待感がにじみ出た。菅野は真剣な表情で切り出した。「自主トレはアリゾナでやろうと思っています。昨年はいい時間を過ごせましたし、しっかり力をつけて来シーズンに向かっていきたいです」。温暖な気候と充実した施設を求め、海外でのトレーニングを決断した。

練習を前に円陣で和む菅野（中央）（左から）西村、斎藤コーチ、沢村、１人おいて内藤コーチ、青木、山口

　アリゾナは、浪人生活を送っていた２０１２年に練習していた地だ。Ｖ旅行後の１２月中旬から年明けまで、西村、高木京、田原誠、育成・成瀬とトレーニングを行うが、それだけではない。同時期の当地には、Ｄバックスの正捕手・モンテロ（１３年ＷＢＣベネズエラ代表）ら現役メジャーリーガーが多数集結。昨年は西村が世界制覇したレ軍の先発右腕・バックホルツや、今季打率３割１厘を残した好打者・ペドロイアと練習したとあって、大リーガーと合同自主トレを積む機会もありそうだ。

　「直球のスピードとキレを求めていきたいです。オフはシーズン中にできないこともできる。体にムチを打ってやっていきたい」。自主トレ中は６勤１休で、一日６時間のハードな練習メニューを課すつもり。妥協することなく高い向上心を持つ右腕には、最高の環境となる。

　今季は１３勝６敗、防御率３・１２。ルーキーながらリーグ連覇に大きく貢献したが、慢心は一切ない。「プロ野球は甘い世界ではない。今年の後半戦から、（相手）打者に球種を絞られている感じはあったし、このオフに各球団は対策を練ってオープン戦中に丸裸にされる。現状のままではなく、各球団の対策以上に進化を見せていかないと」。脳裏にあるのは、２年目のジンクスを打破してのリーグ３連覇に貢献―。その道が異国の地・アリゾナで始まる。