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ベルトコンベヤーに載った肉に針を突き刺し、牛脂を含んだ乳白色の液体を注入する工程(撮影・吉田敦史)
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ベルトコンベヤーに載った肉に針を突き刺し、牛脂を含んだ乳白色の液体を注入する工程(撮影・吉田敦史)
牛脂が注入されたサーロイン(撮影・吉田敦史)
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牛脂が注入されたサーロイン(撮影・吉田敦史)

 阪急阪神ホテルズ(大阪市)をはじめ各地の有名ホテルで「ビーフステーキ」などとして販売されていた「牛脂注入肉」。メニュー偽装の発覚で注目を集めたが、この肉はどんな肉で、どのようにして作られるのか。あるメーカーが、匿名を条件に製造現場の取材に応じた。

 ハラミのブロック肉が幅40センチのベルトコンベヤーにびっしりと並べられ運ばれてきた。この肉は豪州産やニュージーランド産の赤身だ。

 コンベヤーが停止すると、100本の束の針がガシャッ、ガシャッと肉に突き刺さる。同時に乳白色の液体が肉の中に注入された。この液体は和牛の脂や調味料、とろみを付ける添加物などを混ぜた“霜降り”の元だ。注入工程は2回あり、ラインから出てきた肉は大きく膨らんでいた。

 赤身肉には筋繊維にそって白いさしが入り、ピンク色に。軟らかく加工され、和牛の脂を使用するため風味は和牛そのものになる。

 このメーカーが加工したサーロインのさしをよく見ると、網の目が不自然な気もするが、ばら肉(カルビ)では遜色なかった。一般の消費者が判別できるとすれば、焼いたときの縮み方が通常の肉より少し大きいくらいだという。

 業界関係者によると、この肉が国内で広く流通するきっかけとなったのは、2003年12月に米国で発生が確認された牛海綿状脳症(BSE)。低価格で適度な脂分のある米産牛肉が禁輸となり、代替品として注目された。牛脂注入肉だけの出荷統計はないが、焼き肉やステーキ用として外食店を中心に市場規模は一気に膨らんだという。

 日本農林規格(JAS)法は「食肉製品」としてメーカーや流通、小売り業者に表示を義務付けているが、外食は対象外のため、今回の一連の問題が起こった。ただ、景品表示法は牛脂注入肉を「霜降りステーキ」と表示するのは優良誤認に当たり、同法に抵触するとしている。

 今回、取材に応じたメーカーは「需要があったからこそできた商品。飲食店にはきちんと表示して消費者に理解してもらった上で食べてもらいたい」と話した。(西井由比子)

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