愛知県稲沢市議、覚せい剤３キロ所持の疑い　中国で拘束

　愛知県稲沢市の桜木琢磨市議（７０）＝無所属＝が渡航先の中国広東省広州の白雲国際空港で、約３キロの覚醒剤を所持した疑いで中国公安当局に拘束されていたことが１５日、分かった。外務省などが明らかにした。桜木市議は容疑を否認しているという。中国では麻薬の密輸は重罪で、最高刑は死刑。スパイ行為、性犯罪、贈収賄など殺人以外の罪でも死刑になる可能性があり、執行の際には銃や薬物などを使用するとされる。

　外務省などによると、桜木市議は１０月２９日に中国へ渡航した。同市議は貿易会社を経営しており、仕事目的だったとみられる。同市議は同３１日に中国広東省広州の白雲国際空港から帰国する際、手荷物検査でスーツケースの中から覚醒剤約３キロが見つかったとして、公安当局に身柄を拘束された。桜木市議は「（違法薬物かどうかは）知らなかった」などと容疑を否認しているという。

　中国外務省の洪磊副報道局長はこの日の会見で、桜木市議の身柄拘束を確認したと説明。洪氏は「既に広州の日本総領事館に連絡した。市議は広東省で勾留されている」と話した。

　中国側から連絡を受けた日本総領事館職員が、広州市内の拘置所で桜木市議と面会しており、体調面に問題はないという。稲沢市議会には今月１４日午後２時ごろ、連絡があった。外務省から議会事務局に「中国の空港で薬物所持容疑で日本人男性が現行犯逮捕された」と伝えられた。

　桜木市議は今月１日にあった市の行事や委員会を無断欠席。連絡が取れない状態が続いていた。５日になって、市議の娘から「父は中国へ出掛け、トラブルにあった。広州の拘置所で拘束されているようだ」と説明があった。市議会の野村英治議長（６０）は１５日、会見で事実確認を急ぐ意向を示すとともに「事実であれば、議員としてあるまじき行為だ」と述べた。

　桜木市議は市議会（定数３０）で最も当選回数が多く、現在５期目。２人会派「行動優先夢会議」に所属し、厚生委員や議会運営委員を担当。歴史教育の見直しなどを主張している。

（2013年11月16日06時03分  スポーツ報知）

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