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政府、旧型車の増税検討 軽自動車も、業界反発  エコカー減税は拡充


 2014年度税制改正の焦点である自動車関連税制に関し、政府がエコカー減税を拡充する一方、燃費性能が悪い旧型車やエコカー以外の自動車重量税(国税)と軽自動車税(地方税)を増税する案を検討していることが15日分かった。

 これに対し 日本自動車工業会 (自工会)などの業界団体は15日に記者会見して増税反対を表明。政府内でも税収確保を求める総務省や財務省と、自動車販売の落ち込みを懸念する経済産業省が対立。年末にかけて与党の税制協議は難航しそうだ。

 13年度与党税制改正大綱では、自動車取得税(地方税)と自動車重量税を軽減する方針が盛り込まれた。

 消費税率が10%になる予定の15年10月に取得税を廃止する方針は既に決まっている。自動車業界は、14年4月の消費税率8%段階で、取得税の税率を5%から2%に引き下げるよう要望。一方、総務省の有識者検討会は、一律の税率下げではなく、一定の燃費基準を満たせば基礎控除を認める案を示している。

 総務省の検討会は、消費税率10%時の取得税廃止に伴う財源確保のため、自動車税(地方税)と軽自動車税は、排気量などで税額が決まる現在の方式を燃費に応じた課税に見直すことも提言した。導入されれば、小型乗用車より税負担が低く抑えられている軽自動車は結果的に増税になる可能性が高い。

 自動車重量税は、エコカー減税を恒久化する方針。経産省は減税措置の大幅拡充を主張するが、財務省は財源を示すよう求めており、新車登録から13年を超えた旧型車などは増税して買い替えを促す案が浮上している。

 自工会の 豊田章男 (とよだ・あきお) 会長(トヨタ自動車社長)は15日の記者会見で「地域で公共の乗り物となっているのが軽自動車をはじめとした自動車だ」と述べ、増税案に反対する姿勢を強調した。


業界、販売急減を懸念 「生活直撃」 
  
 自動車業界は、消費税増税に伴う販売急減を懸念し、自動車取得税と重量税の軽減を政府に迫っている。減税の財源として軽自動車税などの引き上げ論が出ていることに対しては「地域、庶民の生活を直撃する」と猛反発している。

 日本自動車工業会(自工会)によると、1997年の消費税5%への引き上げで、97年度の国内新車販売台数は前年度より101万台減少した。来年4月の消費税増税に合わせて自動車関連税制の見直しがない場合、販売は約58万台減り、約17万人の雇用が失われるとの試算も示している。

 自工会の 豊田章男 (とよだ・あきお) 会長(トヨタ自動車社長)は15日の記者会見で「(自動車業界が)経済をけん引するためには、日本にものづくりを残し発展させることが不可欠だ」と強調した。

 軽自動車税の増税案にも警戒を強めている。国内の新車販売は現在、軽自動車が約4割を占め、各社が開発や販売にしのぎを削る。スズキの 鈴木修 (すずき・おさむ) 会長は「先行きが非常に不安だ」と訴える。

 地域では生活の足として軽自動車を複数台所有する世帯もあり、女性や高齢者の利用も多い。増税案は「使用実態を無視している」と業界側は主張。増税を阻止しつつ減税措置を拡充することに全力を挙げている。

経産相は慎重姿勢 「軽自動車は地方の足」

 茂木敏充経済産業相は15日、「軽自動車は地方では生活の足であり、(ユーザーの)負担増にならないようにしたい」と述べ、総務省が検討している軽自動車税の増税に慎重姿勢を示した。

 東京都内で日本自動車工業会(自工会)の 豊田章男 (とよだ・あきお) 会長(トヨタ自動車社長)と会談し、終了後に取材に応じた。

 政府は消費税率が10%になる予定の2015年に自動車取得税を廃止するが、総務省は代わりに軽自動車税を引き上げることを検討している。

 茂木氏は「代替財源は自動車関連税の中ではなく、税全体で議論すべきだ」と述べ、取得税廃止がユーザー負担減につながるようにすべきだとの認識を示した。

 茂木氏は自工会側に従業員の賃上げを求めたことも明らかにした。豊田氏も取材に応じ「業績が上がればまず納税し、それから従業員に還元する」と応じたと説明した。

(共同通信)

2013/11/16 15:24

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