「彼女に初めて会ったのは12歳のころかな。当時の女子スケーターはただかわいくてキュートなだけ。力強いけれど美しくて繊細、エキゾチックで独立した一人の女性であるスケーターを育てたかった。それがミシェル。15歳で『サロメ』で世界女王になり、いきなりすごいと言われたけれど、その前に3年半の下積みがあった」
「パトリックもそうね。しかし子供のころはスケートにしか興味がなくて、表現に対し興味を持てるよう仕向けるプログラムを提供してきた。若い選手を担当するときは『こういう選手にしたい』というビジョンを持つことが大切」
■愛情込めプログラム作り
――浅田には05年に出会うが、10年バンクーバー五輪シーズンだけプログラムを作っていない。
「真央とは距離的に離れ過ぎていたのが残念。と同時に時代が変わった。ミシェルのころはSP、フリー、エキシビションまで担当し、芸術面すべてに責任を持たせてもらえた。今はプログラムごとに振付師を変える。スケーターがとれる時間が減り、振り付けしにくい面もある」
「私は情が深いタイプだから、ずっと愛情を込めてプログラムを作ってきた選手が離れていくのはつらい。でもビジネスだから仕方ないわね」
■モロゾフコーチに戸惑い
――高橋は今季、初めて振り付けした。昨季も依頼されたが、断っている。高橋を指導するニコライ・モロゾフコーチのスタイルが好きでないからだ。振り付けを無断で変えられるのを、ニコルさんは嫌がる。過去に織田に提供したプログラムに、モロゾフ氏が加えた修正に戸惑ったようだ。
「テレビを見ていて、あらっていうことはあるわ。自分の振り付けに誇りを持っているから。一部を変えただけで全てが変わることもある。特にステップやペアのリフトとか。すごいショックなの」
「選手の個性に合わせて曲を選ぶ。リズム、ハーモニーと、選手の技術力、長所、短所を踏まえて、エレメンツをこなせるように振り付ける。私のプログラムは、エッジが作る曲線、エッジの深さ、滑るテンポ、スケートに必要な要素はすべて入っているし、曲や感情に合った体の動かし方、ステップ、ターンもすべてが織り込まれている」
「芸術と技術のバランスがとれたプログラムが、美しくて得点もとれるいいプログラム。6点満点時代も現ルールでも、このスタイルは変えていない」
ビートルズ、ミシェル・クワン、ローリー・ニコル、パトリック・チャン、浅田真央、高橋大輔、ニコライ・モロゾフ
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