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竜飛海底駅で最後の見学ツアー
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青函トンネル内にあり、北海道新幹線の工事に伴い廃止されるJR竜飛海底駅(外ケ浜町、海面下135メートル)で10日、最後の見学ツアーが行われ、数少ない整理券を入手できた鉄道ファンらが駅との別れを惜しんだ。難工事だったトンネルの歴史を肌で感じられる駅が消えることに、参加者からは「なくなるのは寂しい」「残念」といった声が相次いだ。
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同駅は、2015年度末に開業する北海道新幹線の通過に備えてホームを撤去するため、既に06年に見学を中止している吉岡海底駅(北海道福島町)とともに14年3月で廃止される。今夏に廃止が報じられて以降、特急を使った見学ツアーは大人気となり、1日2コース計80人(10月以降)限定の入場整理券は「即日完売」の状態が続いていた。
新青森駅発の最後のコースには36人が参加。全国各地から集まった参加者は、幅が1メートルほどしかないホームに降り立ち、ビデオカメラでトンネル内を撮影したり、避難所へと続く坑道内を歩いた。
オークションで整理券を買い、今回1人で来たという埼玉県の中学2年生佐藤歩貴君(14)は「少し前に青函トンネルが世界一の海底トンネルだと知り、最終日に来たいと思った。実際に歩いてみて(駅構内は)長いなと感じた」。八戸市の女性(42)は「機会があれば、また来たいかなと思う所。もう見られないのは残念」と話した。
見学ツアーは、駅ホームから避難所、地上にある青函トンネル記念館などを巡り再びホームへと戻る約3時間のコース。説明は、1997年から案内役を務めてきたという塚岸健一さん(69)=函館市=が担当した。
名残を惜しむファンが撮影に熱中するため、「お急ぎください」と声を掛ける場面もしばしば。トンネル工事の歴史や工法などを丁寧に説明した後、塚岸さんが「これで最後です。長い間ありがとうございました」とあいさつすると、参加者から拍手が送られた。
取材に対し塚岸さんは「何年やっても思うようには案内できなかった」と謙遜しつつ、「事故もなく、最後まで無事務められて十分だ。良かった」と思いを語った。
竜飛海底駅88年3月の青函トンネル開業の際に、緊急時の避難用として設置された。
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