阪神・加藤【拡大】
真っ白なシャツの上に伸びる黒地に金色のストライプのネクタイ。タテジマの一員となった吉見がはっきりとした口調で話し始めた。
「10月3日に(ロッテから)戦力外と言われ、一度死んだ身。チャンスをいただき有り難い。年齢も年齢ですし、阪神で骨を埋めるつもりでやりたい」
一度“クビ宣告”を受けた男の言葉には重みがあった。そして、アピールポイントを強調した。
「先発、中継ぎとやってきてどういう場面でも投げることができる。与えられた役目をこなすのが僕の仕事」
通算267試合に登板し、44勝を挙げた経験がある。阪神は今年のドラフト指名6人中、3人が左投手だが、ルーキーたちが活躍できるかは未知数。吉見が再生できれば、大きな“補強”となるのは明白だ。
いいお手本がいる。今季虎投最多の61試合に登板した加藤だ。中継ぎエースとして防御率1・97と抜群の安定感を示した。加藤も吉見と同様、横浜(現DeNA)を戦力外となり11年に阪神に入団。再生を果たした。加藤はロッテ→横浜、吉見は横浜→ロッテ。順番こそ違え、在籍球団は同じ道をたどっただけに期待も高まる。