富士通
2013年11月8日(金) 東奥日報 ニュース



■ 「ツルアラメ」で短命県返上

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ツルアラメを左手に、「大間はマグロだけじゃない」と海藻をテーマにした弁当店をオープンした菊地さん
 
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キッチン・コンブリオで出している日替わり弁当。手前はコンブ水仕込みの空揚げがメーン
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 繁殖力が強くコンブの漁場を浸食するため、漁業者に敬遠されてきた海藻「ツルアラメ」。この厄介者が健康にいい成分に富むことを広く知ってもらいたいと、海藻卸会社代表の菊地幾代さん(49)=青森市=は今年10月、海藻類を使った弁当店のオープンに踏み切った。飲食関係の仕事は初めてだけに勉強の日々だが、「食を通じた健康づくりによる短命県返上と、大間の漁業者の力になれれば」と忙しい毎日を送る。

 菊地さんがツルアラメを知ったのは、青森市内の団体に勤めていた7年ほど前。大間町は全国的にマグロで有名だが、海藻類の品質も高く、同町産の海藻類を取り扱う中で、他の海藻とは違う特性を持つツルアラメに興味を持った。

 調べると、生活習慣病予防や美容効果のある成分が豊富。これを生かしたいと4年前には自ら海藻卸「海藻開発コンブリオ」を起こした。県立保健大学や弘前大学でツルアラメの研究が行われており、弘前大学の前多隼人助教は「ポリフェノールとフコキサンチンの相乗効果で血糖値上昇を緩和する可能性がある」と言う。

 ツルアラメは繁殖力が強く、地元漁師によると「海の底にびっしり」の状態。一部は商品として出荷されるが、価格は真コンブの3分の1程度と低く、大半は駆除されている。「ツルアラメを食用で消費すれば、多少なりとも大間の漁業者の収入になり、漁場保全にもつながるはず」。そんな思いで菊地さんは、トロロコンブに加工するなど商品開発を進めるが、消費は限定的。ダイエットサプリメント用にも出荷しているが、使用量は年1トン程度にとどまる。

 このため「まずはツルアラメを食生活に根付かせたい」と、県の「あおもり食命人」の第1期講習を修了。海藻全般を使ったオリジナルレシピ提案へ10月、同市旭町1丁目に弁当店「キッチン・コンブリオ」を開店した。

 弁当のメーンは、大間産ツルアラメやヒジキ、東通産のフノリを練り込んだハンバーグや「コンブ水」で仕込んだ鶏モモ空揚げなどの肉類か、魚類を選べる。キノコ、豆類などの総菜を加え、栄養バランスを考えた2種類の日替わり弁当は500円。だしを利かせ、海藻から取った「藻塩」の風味を生かして減塩に努める。

 「ツルアラメは食味こそ真コンブなどに及ばないが、健康にいい成分はもっと注目されていい」と菊地さん。「子どものうちからさまざまな味、食を経験することが大切」と、多くの人に食と健康を伝える“海藻コンシェルジュ”の役割を果たそうと思いを強くしている。

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