政治
ＴＰＰ関税撤廃の党内検証も秘密 自民、蚊帳の外議員に不満
（11/05 06:00）
環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉をめぐり、自民党が行った農林水産物の関税撤廃の可否についての検証作業に、党内で不安と戸惑いが広がっている。ＴＰＰ交渉と同様に「秘密保持」が徹底され、結果を知るのはごく一部の党幹部のみ。ＴＰＰ参加には最終的に条約批准の国会承認が必要だが、議員からは「何も聞かされず黙って賛成しろというのなら納得できない」との声も上がり始めている。
「私なりに調べた結果は政府に知らせている。あとは総合的に判断してもらう」。党ＴＰＰ対策委員長の西川公也衆院議員は１０月３１日、記者団に検証作業を終えたことを明らかにしたが、検証結果については、かたくなに口をつぐんだ。
ＴＰＰ交渉で政府はこれまで、各国に最大で８０％台後半の関税撤廃品目の割合（自由化率）を提案したが、一部の参加国から自由化率を高めるよう求められた。このため自民党は１０月中旬から検証作業を本格化。関税維持の「聖域」とされていたコメや乳製品などの重要５農産物（５８６品目）を含む約千品目を対象に、品目ごとの輸入実績や、関税がかけられるようになった経緯などを西川氏が中心となって精査し、政府に報告した。
政府はこの報告を参考に、品目ごとの関税撤廃の可否を判断する方針だ。西川氏は「党として特定の品目の関税撤廃を認めるようなことはない」と強調するが、交渉への影響を懸念し、結果は石破茂幹事長などごく一部にしか伝えていない。
蚊帳の外に置かれた大多数の議員は、支持者からの問い合わせにも回答できず、閣僚経験者からも「これほど大きな問題が、まともに党内で話し合われないまま進められるなんて初めてだ」との不満が漏れている。（東京報道 高橋俊樹）＜北海道新聞１１月５日朝刊掲載＞
【関連記事】
- 【経済】自民、鶏肉や卵も関税維持要請 ＴＰＰ交渉、品目は政府判断
政治記事一覧
16日
- 学力テストの成績公表解禁 来年度から文科省、各教委に判断委ねる （10:35）
- 安倍首相、カンボジアへ出発 経済関係の強化確認 （10:17）
- 雪寒指定道路、北海道内は20％延長 国交省、21年ぶり見直し （10:01）
15日
- 防衛相、自衛隊増援を命令 過去最大規模、艦艇３隻で （11/15）
- 秘密法案、与党は来週通過狙う 首相の事前同意拒否、修正続行 （11/15）
- 政府、テロ海賊対処へ器材提供 武器輸出で事例集 （11/15）
- 原発賠償の時効１０年に 与党法案、国会提出へ （11/15）
- 岐阜でオスプレイ展示へ日米調整 市民参加の空自イベント （11/15）
- ケネディ駐日米大使が着任 父の「遺産」生かす
- ＪＲ北海道社長、２２日に招致 衆院委、改ざん経緯など質疑 （11/15）
- 比レイテ島に自衛艦３隻派遣へ 援助隊が被災地視察 （11/15）
- 公務員給与の減額、本年度で終了 ５０代と地方勤務者抑制を検討 （11/15）
- 北岡氏、憲法解釈変更の原案策定 集団的自衛権で （11/15）
- 改正自衛隊法が成立 邦人保護で陸上搬送可能に （11/15）
14日
- 政令市に教員給与税源を移譲へ 道府県から初のケース （11/14）
- 資金協力、無償基準の明確化要求 事業点検２日目
- 首相、カンボジアなど歴訪へ ＡＳＥＡＮ重視アピール （11/14）
- 第三者機関「今後の課題」と修正 秘密保護法で森担当相 （11/14）
- 長崎県知事、諫早開門の撤回要請 林農相と会談
- 参院委、自衛隊法改正案を可決 １５日にも成立 （11/14）
- 秘密保護法、成立後も見直し 森担当相が検討表明
- 佐賀県知事「期限内の諫早開門を」 農水副大臣に要請
- 50代公務員の給与抑制を 政府、人事院に検討要請 （11/14）
- 抜き打ち監査、国交省が検討 ＪＲ北海道のデータ改ざん受け （11/14）
- 日仏１月に２プラス２ 「武器」輸出に通報制協議 （11/14）
-
- 24時間
- 週間
- 月間
-
- 改ざん発覚後に原本廃棄 ＪＲ北海道社員、複数で裁断と証言
- ＪＲ北海道の原本廃棄「当然調べる」 データ改ざんで国交相
- サミット会場、ウィンザーホテルも虚偽表示 札幌ドームでは弁当
- 【道スポ】鶴岡、ＦＡ流出濃厚 きょう交渉解禁 球団は１軍級捕手を補強へ
- ＮＨＫ札幌局、北１西９に移転へ 札幌市の市有地と等価交換
- 「原発輸出やめて」 北海道新聞東京懇話会で安倍首相夫人 消費増税も異議
- 北海道内で大雪 厚田４８センチ、新篠津４２センチ ＪＲに運休や遅れ
- 旭川市課長を逮捕 北海道警 市発注工事で１００万円収賄容疑
- コンサドーレ１点死守、７位浮上 プレーオフ進出に望み
- 元日ハム投手、強姦疑いで逮捕 千葉の路上で女性に乱暴