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「本当に嫌なら抵抗するはず」裁判官の誤った“思い込み”…性犯罪の無罪判決「検証本」出版へ 大阪弁護士会
雪田弁護士は、教諭が成績評価や進路を盾に生徒にわいせつ行為を強いるなど、職業上の地位を悪用した性犯罪でも暴行や脅迫、被害者の抵抗がない場合があるとして、「暴行・脅迫を前提として被害者の強い抵抗を実質的要件とする現行刑法は現状にそぐわず、見直すべきだ」と語る。
供述に頼らない証拠を
一方、PTは、当時15歳の少女に対する公園での強姦事件を無罪とした23年3月の大阪地裁判決なども検証。少女は「被告の体液が外に出た」と供述したが、事件翌日に雨が降って公園で体液が採取されず、供述の信用性に疑いがあると判断されたことから、「客観的証拠の収集が不十分」と分析した。
冤罪に詳しい元裁判官の木谷明弁護士は「被害者心理には十分配慮する必要があるが、不十分な証拠で有罪にはできない」と強調する一方で、「捜査段階で被害者供述に頼らない証拠をそろえる必要がある」と指摘する。
書籍では無罪判決の分析結果や刑法の問題点に言及するほか、性犯罪をめぐる諸外国の刑事司法制度を紹介。裁判所への性犯罪専門部の設置も提言する。
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