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できごと
「本当に嫌なら抵抗するはず」裁判官の誤った“思い込み”…性犯罪の無罪判決「検証本」出版へ 大阪弁護士会
ビル屋上での強姦事件で1、2審の有罪を覆し逆転無罪とした23年7月の最高裁判決は、被害者が初対面の被告に路上で声をかけられ現場まで歩いた▽通りかかった警備員に助けを求めなかった点を「不自然」と指摘。「被害者は『殺すと脅され、頭が真っ白になった』と供述するが信じがたく、抵抗が著しく困難だったかも疑問」とした。
また、20年6月の大阪地裁判決も、当時14歳の少女に対する強姦事件で、抵抗を著しく困難にする暴行はなかったと判断。少女が同意していなかったと認定しながら、少女も強く拒否しなかったとして強姦の故意を否定し、無罪とした。
刑法見直しも提言
刑法の強姦と強制わいせつ罪の条文にある「暴行または脅迫」の基準は、昭和24年の最高裁判決で「抵抗を著しく困難にする程度」とされ、先の無罪判決でも言及している。だが、PT座長の雪田樹理弁護士は「容易に逃げられる状況でも、できない被害者がいることは専門家の研究で明らかだ」と批判する。
後藤弘子・千葉大教授(刑事法)は「被害者が必ず回避行動を取り得るというのは思い込みで根拠がない。裁判所には被害者に対する正しい理解が求められる」と話す。
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