【貞国聖子】放射能漏れ事故を5月に起こした茨城県東海村の加速器実験施設「J―PARC」(運転休止中)で、事故の起きたハドロン実験室内に残る放射能を、隣の作業室に漏らさないための目張りテープが一部はがれるトラブルがあったことが15日、わかった。作業員や職員計100人が一時退避した。放射能漏れや被曝(ひばく)はなかったという。

 J―PARC広報セクションなどによると、5月の事故後、放射能を封じ込めるため、ハドロン実験室に通じる扉は粘着テープで目張りしていた。12日午後2時ごろ、このテープが約10センチにわたってはがれているのを作業員が見つけた。

 近くにいた作業員7人を全員退避させ、2時間後に「注意体制」を取った。その後、作業員に被曝はなく、放射能漏れも確認されず、3時間半後に通常の体制に戻したという。