困惑する金丸

　全日本プロレスの３冠王者・曙（４４）から新パートナーに指名された世界ジュニア王者・金丸義信（３７）が、苦悩を告白した。

　九一に分けられた自慢のハロルド坂田ヘアがボサボサに乱れている。「どうしてまた俺なんだよ」と髪をかきむしる金丸はまるでノイローゼ状態だ。

　無理もない。次期シリーズは「世界最強タッグ決定リーグ戦」（３０日、大阪で開幕）で、ジュニアの金丸は無関係のはずだった。ところがＳＵＳＨＩと出場する予定だった曙が突然、コンビ解消を宣告して新たな相棒に何の縁もない金丸を指名。王者タッグチームが誕生することになった。

　金丸は「横綱の指名は本当に光栄」と感謝すると同時に「俺でいいの？」と本音もポロリ。春のチャンピオン・カーニバル（ＣＣ）と並ぶ王道マットの２大決戦に当たる暮れの最強タッグ戦出場は今回が初めてだ。ＣＣ出場経験もない金丸は馬場全日出身ゆえに２大決戦の歴史の重みを熟知しており、ジュニア王者とはいえ場違いな印象が拭えないという。

　くしくも金丸は半年前も同じ悩みを抱いた。小橋建太から引退試合（５・１１日本武道館）の対戦相手の一人に抜てきされた。「何で俺が…」という葛藤を抱えたまま出撃し、小橋の月面水爆にあえなく沈没。「まさにあの時と同じ。横綱のために気持ちを切り替えて頑張るしかないが、それにしても何でまた俺なの…」と金丸のボヤキは止まらない。