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米新大使の発信力をいかそう

2013/11/15付
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 米国の新しい駐日大使キャロライン・ケネディ氏が着任する。日米の絆が一段と深まることを望みたい。

 歴代大使は(1)米政界の大物(2)実務的な外交官(3)大統領の親しい友人――が務めることが多かった。政官界の公職経験がなく、外交と縁遠かったケネディ氏はいずれの類型にも当てはまらない。手腕を不安視する声があるのは事実だ。

 とはいえ、暗殺されたケネディ元大統領の長女として米国で知らぬ者はない著名人である。その言動は歴代大使の比でないほど頻繁に米国で報道されよう。

 ワシントンの日本大使公邸であったお披露目のレセプションには米メディアが十数社も取材に来た。暗殺事件から今月でちょうど50年目の節目だということもあったろうが、この発信力を上手にいかさない手はない。

 20年におよぶ経済停滞の結果、世界の舞台での日本の存在感はかなり低下した。不安定な東アジア情勢を考えれば、日本の立場をオバマ大統領のみならず、米世論に訴えかけることができるパイプは貴重だ。日本には願ったりかなったりの人選といえよう。

 強い発信力は両刃の剣になり得る。ケネディ氏は女性の社会的地位向上の運動に携わってきた。従軍慰安婦問題などで安倍政権がうかつな言動をすれば人権軽視だとして遠慮なく批判するだろう。

 歴史問題を解きほぐそうと日本がしてきたアジア女性基金の設立などの努力を理解してもらう働きかけが欠かせない。

 オバマ大統領は政権で最初の駐日大使ジョン・ルース氏を広島と長崎の慰霊式典に初めて参列させた。20歳のときに広島の平和記念資料館を訪れたことがあるケネディ氏の起用にも持論の核軍縮への思いを印象付ける狙いがあろう。

 70年前に南太平洋で日本軍と死闘を演じたケネディ元大統領の娘が橋渡し役となり、現職の米大統領が被爆地を訪問すれば、日米の歴史に新たなページを開くことになる。実現に期待したい。

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