自民:小泉元首相に及び腰 幹部、発言検証で押し付け合い
毎日新聞 2013年11月08日 20時20分(最終更新 11月08日 20時27分)
「原発ゼロ」を訴える自民党の小泉純一郎元首相への対応に党執行部が苦慮している。「反論すべきは反論する」として、小泉氏の発言内容の検証に乗り出したものの、誰が担当するかを巡って押し付け合いが始まった。いまだに人気の高い元首相の発言だけに正面から批判もしづらく、党幹部の腰の引けた姿勢が目立っている。
「それぞれの仕事をしてもらわないと、組織は成り立たない」
自民党の石破茂幹事長は8日の記者会見で高市早苗政調会長への不満をぶちまけた。小泉発言を巡り、石破氏は5日、高市氏に発言の精査を指示。高市氏は7日に小泉氏の講演録と党公約との比較表を提出し、「仕事は終わった」との認識を強調した。
小泉氏への対応を政策問題と位置付ける石破氏は、再び「政調で精査してほしい」と押し返し、党執行部による「泥仕合」の様相を呈している。石破、高市両氏とも小泉氏の発信力の高さは熟知しており、自ら矢面に立ってまで反論するのは避けたいようだ。
【高橋恵子】