特集ワイド:どこへ行く、小泉劇場第2幕 本気で原発ゼロ ケンカ戦法再び

毎日新聞 2013年11月13日 東京夕刊

フラッシュを浴びながら、引退後初の記者会見に臨む小泉純一郎元首相=東京都千代田区の日本記者クラブで2013年11月12日午後1時31分、山本晋撮影
フラッシュを浴びながら、引退後初の記者会見に臨む小泉純一郎元首相=東京都千代田区の日本記者クラブで2013年11月12日午後1時31分、山本晋撮影

 その自民党若手。脱原発を掲げて昨年12月に初当選した秋本真利(まさとし)衆議院議員は「当選後、核燃料サイクルについて国会で質問すると『助言』『忠告』の形で先輩議員から圧力を感じた」と明かす。だが小泉発言で雰囲気はすでに変化してきた。「東日本大震災後に議員になった当選1回の同僚たちは皆、原発を巡って問題意識を持っている。大先輩が背中を押してくれたのだから、これを機に党内で議論を活発化させたい」と力を込めた。

 会見場での質疑応答で小泉氏は、自民党の石破茂幹事長に対し「賛否両論を首相に上げればいい。どちらに判断しますかと。幹事長として首相が判断しやすい環境を作ればいい」と述べ、首相の外堀を埋めるかのように畳みかけた。「自民党内で原発ゼロの声がなかなか上がってこないのは首相が原発は必要だと言っているから。最終的には国民ですよ。世論は軽視できないですよ。選挙結果によって国会議員は変わる」。郵政民営化の議論の際、党内反対派を「抵抗勢力」と呼んだケンカ戦法さながらだ。

 政界には戻らない、国民運動といえど今後の具体的な計画はない……となれば、通常なら政治的には「これでおしまい」だ。だがこれで終わらないのが“小泉純一郎”。「即時ゼロ」を迫られた安倍首相の返答次第では、激しく反論するだろう。世論が小泉氏側につけば、再稼働の判断はより難しく、政権の支持率を直撃しかねない。

 かつての“政敵”民主党の菅直人元首相は「小泉さんは本気で『即時原発ゼロ』を考えている。これほどはっきり決断を迫られれば、安倍さんも“原子力ムラ”も追い詰められるはずだ。最終的に政権を動かすのは世論だ」と強調する。

 最後に司会者から揮毫(きごう)を頼まれた小泉氏は「百考不如一行(百考は一つの行いにしかず)」としたためた。

 小泉劇場第2幕はまだまだ続きそうだ。

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