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【静岡】介護疲れ“孤独の果て” 地域支援センターに相談を
静岡市駿河区で六日、障害のある息子に老齢の母親が火を付けて殺害する痛ましい事件があった。県警は介護への悩みから無理心中を図ったとみて調べているが、実際に家族の介護に当たる市民からは「誰に相談していいかわからない。孤独を感じることも多い」との声が上がる。県や市区町で相談を受け付けている担当者は「一人で悩まないで相談を」と呼び掛けている。 殺人容疑で逮捕されたのは静岡市駿河区西島の無職大石ナカ容疑者(86)。車いすに乗っていて焼死した息子の明雄さん(55)と二人家族だった。明雄さんは体に障害があり介護が必要なため、数年前から福祉施設に入所。月に一回ほど外泊許可をとっており、今回の事件もその期間中だった。県警によると、現場には「介護に疲れた」という趣旨の母親の手紙があった。 施設に入所しないで、在宅で介護する人の心労も深刻だ。静岡市葵区の主婦(65)は、脳内出血で倒れ下半身に障害がある七十代の夫の介護に励む。子どもは自立して遠方で家庭を持ち、なかなか頼れない。「介護に疲れたときに、誰も手を差し伸べてくれる人がいない。自分一人でやるしかない」と嘆く。 県内の市区町には、介護や医療など高齢者らの相談を総合的に受け付ける「地域包括支援センター」が百三十七カ所あり、ケアマネジャーや社会福祉士が個々に適切な支援を行う。要介護認定の度合いによっては、ケアプランの作成や保健師などのアドバイスが受けられる。 ただ、県が二〇一〇年に実施したアンケートでは、県内の六十五歳以上の高齢者の半数が地域包括支援センターを知らなかった。 県健康福祉部の担当者は「介護予防サービスは、支援センターが中心となってサポートしている。もっと多くの人に知ってもらい、利用してほしい」と話している。 県は認知症の悩みを相談できる「認知症コールセンター」=電0545(64)9042=も週三日設置している。利用時間は午前十時〜午後三時。 (天田優里) <地域包括支援センター> 介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関。二〇〇五年の介護保険法改正で全国の市区町村に設置された。被保険者から相談を受け、社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーらが連携しながら、介護予防に向けた支援策を検討し、介護従事者をチームで支える。高齢者虐待の早期発見や成年後見制度の紹介などの役割も担う。 PR情報
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