「位置情報」を利用 最新の技術展11月14日 18時25分
スマートフォンに搭載されているGPS機能などによる「位置情報」のビッグデータを集めて雑踏での混雑具合や人の流れを把握し、混雑解消に役立てるといった「位置情報」を活用した最新技術の展示会が東京で始まりました。
この展示会は、「位置情報」を利用して生活しやすい社会の実現を目指そうと、国土交通省などで作る協議会が開いたものです。
会場内ではスマートフォンを使った来場者の「位置情報」が集められ、場所ごとの混雑状況が一目で分かるパネルが紹介されています。
このシステムが今後、実用化されれば、例えば雑踏での混雑状況や人の流れが把握でき、すいている場所に移動を勧めるなどして混雑解消に役立てられるということです。
また、最新の移動型ロボットは、あらかじめ記憶している地図情報を基に、ロボットに搭載しているレーザースキャナーで周囲の障害物をキャッチしながら、自分の「位置情報」を割り出して動いていくことができ、実用化されれば人混みをかき分けて活躍できるということです。
専門家「データの利用社会の合意必要」
展示会のアドバイザーを務め、位置情報の利用に関する問題に詳しい、東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授は、「個人の位置情報や、移動スピードなどの情報が集まれば、道路の渋滞状況や、鉄道の運行状況なども分かるようになる。位置情報を利用する技術はかなり進んでいるが、データの利用に関して今の日本は『プライバシーの侵害になるのではないか』という声に対して、安心して利用してもらう仕組みになっていない」と指摘しました。
そのうえで柴崎教授は「ビッグデータと呼ばれるもののなかで、一番生活に密着した情報が位置情報なので、皆が心配せずに利用してもらえる仕組みを整えて社会で合意形成を図ることが大きな課題になる。位置情報をどのように活用する社会にするか、展示会の技術に触れながら皆で考えてほしい」と話していました。
この展示会は16日まで東京・江東区の日本科学未来館で開かれています。
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