ラーメンの面白さって、麺とスープという基本の構成はあれど、具のあわせ方でガラっと違う食べ物になるというところにあると思っています。それで四季を表現しているのってとても素敵ですね!
麺処hachiさんは西新宿にある落ち着いた雰囲気のお店です。普段は昼夜で異なる煮干ラーメン、煮干とトマトを融合させた新感覚のニボトマラーメンなどを提供しており、さまざまな層から支持されています。そんなお店で秋にぴったりの限定ラーメンがあると聞きつけて早速お邪魔しました。
「焼秋刀魚風味の醤油ラーメン 黒七味をかけた半ご飯付き」(800円)、このメニュー名だけで全てがわかってしまいそうなくらい長い名前です。そして、おいしそうな名前ですね!
作っているそばから、ラーメンの香りというよりは秋刀魚の煮付けのようないい香りが漂ってきます。
こちらのラーメンは秋刀魚がトッピングとして載っているわけではありません。しかし一口スープを飲むと、こんがりとグリルで焼いた香ばしい秋刀魚の味を感じることができます。その秘密は醤油ダレの作り方にありました。
まず香ばしく焼いた秋刀魚を酒で蒸し煮にしてふっくらさせます。その後にほぐした身を醤油ダレに加え、そのままミキサーにかけます。こうすると少しトロっとした魚のうまみたっぷりの「焼き秋刀魚風味の醤油ダレ」が出来上がります。それから香りをたたせるために丼で、熱々の煮干スープと合わせて完成です。本当に秋刀魚のいい香りが立ち込めます! ほんのりと香ばしいスープは中太でスルリとのど越しがよい麺とも、ピリっと辛い黒七味をかけたご飯とも相性抜群。後味に醤油のほんのりとした甘さを感じました。「お上品な秋刀魚というよりも、ほろ苦さなども併せ持った親しみのある味に仕上げたかった。」と店主の國村さん。
トッピングには、しっとりとしたチャーシュー、メンマ、江戸菜(小松菜の一種)が載っています。セットで付いてくる付け合せのすだちと大根おろしも秋刀魚を食べるときには欠かせないアイテム、もちろんラーメンにも良く合います。ポイントはスープに溶かし込むのではなく大根おろしやすだちを麺に絡ませるようにして食べることです。スープが薄まることなく、味の変化を楽しめます。脂がたっぷりとのった旬のサンマを使ったラーメンを食べて、秋を思いっきり感じてみてはいかがでしょうか。