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　Ｊ１神戸は１９日、昨季までＧ大阪を１０年率いた西野朗氏（５７）の新監督就任を発表した。三木谷浩史会長（４７）とともに都内で会見し、目標については「現場を見てから決めたい」としながらも「もう一度アジアの頂点に立ちたい」と発言。Ｇ大阪時代の０８年に獲得したアジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）制覇に意欲を見せた。２２日の練習から指導をスタートさせ、２６日のリーグ鹿島戦（ホームズ）が初さい配となる。

　降り注ぐフラッシュを浴びながら、名将は口を開いた。「ごぶさたしています。この度、シーズンの途中ではありますが、神戸からオファーをいただきました。自分自身も現場への復帰希望が強く、オファーを受けさせていただきました」。西野氏の口元は緩んでいた。

　生粋の勝負師は、現場に飢えていた。昨季終了時にＧ大阪との契約を満了。“充電期間”に入っていたが「自由がこんなに苦しいとは思わなかった。芝生の上にいる自分が一番フィットしている」と胸の内を語った。当時、浦和から就任要請もあったが「タイミング的に退任するかしないかだったので…」と固辞。正式オファーから数日以内に返答を求められたことも、足かせとなった。

　神戸で世界進出を目指す。Ｇ大阪時代の０８年に達成したアジア制覇について「並大抵な目標ではない」とするが「もう一度アジアの頂点に立ちたい。日本人監督の誰よりも、そういう経験をさせてもらってきたので、それを全部、神戸にぶつけたい」。三木谷会長も「全面的にバックアップして、将来の成長につなげたい」と、全幅の信頼を寄せた。新天地での最終目標はＡＣＬ制覇、そしてクラブＷ杯出場だ。

　チームはこの日、広島に競り負けた。試合後、西野新監督就任を伝えられたＤＦ相馬は「勝ち慣れていて結果を出している監督だし、楽しみ」と語った。名将を迎えた神戸が、世界への船出をする。